福博印刷が提供を始めたクラウドサービス「マゼランブロックス」。人工知能で情報を分析し、需要予測などを行う=佐賀市の同社

 福博印刷(佐賀市、宮原和弘社長)は、企業が保有する情報を人工知能(AI)を使って分析し、需要予測などが行えるクラウドサービス事業を始めた。企業に有料で提供するとともに、来店客数や顧客ニーズの分析を代行する。分析結果を企業に役立ててもらうことでチラシやカタログなど印刷物の販促効果を高め、新たな顧客獲得を目指す。

 「マゼランブロックス」というサービスで、福岡市のIT企業グルーヴノーツが開発した。ネットワーク上で情報を管理するクラウドとAIを連携させて大量のデータを分析する仕組みで、需要予測や画像・音声の解析、言語翻訳ができ、操作も比較的簡単という。

 福博印刷は昨年12月にグルーヴノーツと業務提携を締結。代理店としてサービスの導入を支援するコンサルティングを手掛けており、本業の印刷事業にもAIによるデータ分析の技術を生かす。

 佐賀県内の小売店をモデルに、このサービスを使って実施した1カ月間の来店客数予測では、気温や降水量の気象予報や前年のデータなどをAIに学習させて分析。実際の数値との誤差は4%未満だった。カードローンの申し込み予測では、実数とほぼ同じ結果が得られたという。

 人口減少やインターネット広告の台頭などで印刷需要が伸び悩む中、福博印刷は2011年にビッグデータの活用に向けた専門チームを社内に創設。どのような情報をクラウドに集め、AIに学習させるかについてノウハウを構築してきた。

 今後は詳細なデータ分析を基に、顧客の実情に応じた印刷を提案していく考えで、最所真一主任は「価格競争に陥るのではなく、取引先の売り上げ、集客アップに貢献することで他社との違いを打ち出していきたい」と話す。

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