開門問題や和解協議などについて意見交換する出席者=諫早市

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡って訴訟で開門を求めている有明海沿岸の漁業者や弁護団と農水省との意見交換が23日、諫早市であった。漁業者側は開門を前提とした問題解決を求めたのに対し、農水省側は「開門より基金事業による地道な(有明海再生の)取り組みが効果はある」との見解を示すなど議論は平行線をたどった。

 弁護団は、農水省が示す開門に代わる漁業振興の100億円の基金に対し「長崎地裁で議論して決着がつかず、われわれはのめないと明示しているのになぜ固執するのか」と批判。有明海の漁業団体と行っている基金関連の協議を挙げ、「和解協議が開始していない状況で、当事者外に話がもたらされるのに強い不快感を持っている。外堀を埋めるようなやり方はやめてほしい」と求めた。

 農水省側は「基金は最良の方策であり、提案を続けている。有明海再生を目指すには漁業者の協力が必要で、国としての和解案を突き詰めるために漁業団体に理解をお願いしている」と反論。基金の増額に関する弁護団の質問に、「100億円は国として最大限示せる額。(増額は)想定もしていない」と答えた。

 さらに「開門しても有明海が良くなるとは思っていない。漁業者との感覚とは違うかもしれないが、科学的知見で客観的に分析している」と強調した。

 意見交換は2016年11月の実施以来で、農水省が昨年4月に開門しない方針を明確にしてから初めての開催となった。

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