子育て世帯の生活保護費見直し

 2018年度の生活保護費見直しで、約15万に上る子育て世帯のうち4割近くが減額になる見通しとなった。政府はひとり親世帯への「母子加算」を平均2割カットするほか、児童手当に当たる「児童養育加算」も一部を減らす方針。野党は「子どもの貧困対策に逆行する」と反発しており、22日召集の通常国会で激しい論戦が展開されそうだ。

 ひとり親世帯に支給される母子加算は、現在の平均月2万1千円から1万7千円に減額されるが「ひとり親だからこそ必要となる経費が十分に考慮されていない」との指摘もある。

 子どもの健全育成のため、子育て世帯に支給する児童養育加算は、対象を現在の「中学生まで」(月1万円)から「高校生まで」(同)に拡大する。一方で3歳未満は1人当たり月1万5千円から1万円に減額。一般家庭には1万5千円の児童手当が支給されており、野党は「貧困家庭への差別だ」と批判している。

 こうした加算のほかに、義務教育に必要な「教育扶助」も見直される。現在は学習支援費として小学生は1人当たり月2630円、中学生は月4450円を定額で支給しているが、実際にかかった費用を後から請求する方法に変更。使途もクラブ活動に限定し、これまで認められていた参考書代などは、児童養育加算で賄うことになる。

 高校生の学習支援費は、上限を年約6万2千円(定額)から約8万3千円(実費)に引き上げ、生活保護世帯の子どもが大学などに進学する際は一時金を支給する。受給費全体では、6割の子育て世帯で増額となるが、大学などに進学した場合、世帯に支給される保護費から子どもの分を大きく差し引く「世帯分離」の仕組みは残ったまま。専門家は「子どもの進学を阻む要因が解消されていない」としている。

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