AHM協同組合が神奈川シティユニオンに送ったファクスの写し

 フィリピン人技能実習生(25)が職場の暴力に耐えかねて労働組合に加入したところ、実習生の受け入れ窓口となった監理団体「AHM協同組合」(群馬県高崎市)が労組にファクスを送り、実習生を脱退させるよう求めたことが21日分かった。実習生にも労組加入の権利があるが、実習生を保護する監理団体などが役割を果たしていない形。労組は不当労働行為として神奈川県労働委員会に救済を申し立てた。

 ファクスには公益財団法人「国際研修協力機構」(JITCO)などがAHMに対し、労組加入者は実習先が見つからないとの見解を示したとも記載。これが脱退要請につながった可能性もある。労組脱退要請について労組側は「証拠が残るのは珍しい」とした上で、氷山の一角が露呈したとの見方を示している。

 この実習生らによると、2015年4月に来日した実習生ら4人は埼玉県の建設会社で勤務。殴る蹴るの暴力や「ばかやろう」など暴言を日常的に受け、16年12月に労組「神奈川シティユニオン」に入った。

 シティユニオンはAHMやJITCOに4人の新たな実習先を探すよう要求。AHMは昨年4月19日、シティユニオンへのファクスに「実習の継続意志があるということですが、東京入国管理局および、JITCOが労働組合に加入している技能実習生を受け入れる企業は見つからないとおっしゃっていましたので、移籍先企業を見つけるためにも貴組合を脱退させていただけますでしょうか」と記した。

 AHMは取材に「ファクスの評価は係争中のため回答を差し控える」、JITCOは「係争中の案件につき、対応や回答は控える」とした。東京入管は「個別事案への回答は控えるが、一般的には入管が実習生を労組から脱退させるよう指導することはない」と答えた。

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