「有田の文化的景観」の一翼を担う内山地区の風景(東から)

 有田町ホームページのトップバナーに、“有田の文化的景観「日本の20世紀遺産」に選定”の文字が大きく表示されるようになった。昨年の12月8日、後世に残したい遺産として全国で20件、九州では肥薩線(旧鹿児島本線)とともに、有田が選ばれたためだ。

 有田は一昨年「日本遺産」にも認定されたが、伝統的建造物群保存地区や古窯跡をはじめ、構成資産自体に大きな違いはない。認定・選定組織としては、「日本遺産」は文化庁、「日本の20世紀遺産20選」は日本イコモス国内委員会。イコモスと聞いてもなじみがないが、正式名称をInternational Council on Monuments and Sites(国際記念物遺跡会議)といい、略してICOMOS。文化遺産保護に関わる国際的な非政府組織(NGO)で、あの世界遺産を決定するユネスコの世界遺産委員会に登録等の諮問を行う機関と言った方が分かりやすい。その国内組織による選定なのである。

 「20世紀遺産」は、世界遺産選定の評価基準に基づいており、その意味では、遺産の価値付けを行い保護を強化する文化財指定などに近い。実は、文化や伝統を語るストーリーを通じ集客を図り、地域の活性化を目指す「日本遺産」とはまるで性格が異なるのだ。

 つまり、両者の関係としては、「20世紀遺産」の趣旨に沿って保護・保存を進め、素材の価値を磨き上げ、それを「日本遺産」の活用で地域の活性化につなげるというのが定石であろう。(有田町教育委員会学芸員・村上伸之)

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