「1人で抱え込むと一本の道しか見えない」と仲間づくりの大切さを話す土肥いつきさん=佐賀市の県教育会館

 トランスジェンダー(体と心の性が一致しない人)当事者の土肥いつきさん(京都府立高校教員)が20日、佐賀市の県教育会館で講演した。中高生のトランスジェンダーの交流会を開いている土肥さんは、自分の望む制服やトイレを利用できないなど多くの場面で子どもたちが困難に直面していることを指摘。「悩みを1人で抱え込むと一本の道しか見えない。仲間との出会いが世界を広げる」と話し、仲間づくりの重要性に触れた。

 土肥さんは、ロールモデルがいないために当事者が将来を想像しにくいことや、新年度から公的医療保険の適用対象になる方向が示されている性別適合手術について、医療機関が都市部に偏在し「診察まで到達しづらい」といった現状での課題を挙げた。

 文部科学省から学校現場での支援の事例が示されていることについては「制度そのものを変えず、あくまで個別対応を求めたもの」と課題を指摘。必要なのは「個別の課題を解決するため、枠組み全体を変えるという普遍性」と話し、LGBTの人が生きやすい社会は、誰もが生きやすい社会につながるという考え方を強調した。

 講演会は佐教組が主催し、90人が聴講した。

このエントリーをはてなブックマークに追加