佐賀県内の運転免許返納者数の推移

 2017年の1年間に佐賀県内で運転免許を返納した人が前年のほぼ2倍に当たる2982人に上り、過去最多を更新した。65歳以上の高齢者が2884人で、全体の97%を占めた。県警は、高齢者による交通事故の社会問題化や、認知機能検査を強化した改正道交法の周知が進んで自主的に返納する人が増えたことが要因とみている。

 運転免許課によると、返納者は前年より1544人増えた。返納の理由は「身体機能の低下の自覚」が2178人(73%)で最も多く、次いで「運転の必要がない」が599人(20%)、「家族からの勧め」が159人(5%)だった。

 昨年に県内で発生した交通死亡事故36件のうち、65歳以上の高齢者が原因となる事故は10件発生した。

 昨年3月に施行された改正道交法は、75歳以上のドライバーが信号無視や逆走などの交通違反をした場合の「臨時認知機能検査」を義務付けた。半年間の集計では694人が臨時検査の対象になり、564人が検査を受けた。認知症の恐れがあり、医師の診察を受ける必要があるとされた第1分類には18人が該当。免許更新時の認知機能検査を含めると、第1分類と判定され、診断の対象になった人は計270人に上る。認知症と診断された3人の免許が取り消され、81人が受診せずに自主返納した。

 一方、県警が昨年11月に導入した制度で、免許返納を親族ら代理人が申請できる手続きでは、12月末現在で36人が返納した。

 県内で運転免許を所有している65歳以上の人は2016年12月末現在で約13万8千人で、県全体の24・4%を占め、全国の65歳以上の免許保有率(21・5%)を2・9ポイント上回っている。都市部に比べて公共交通機関が限られ、自家用車が生活に欠かせない移動手段になっている側面がある。

 運転免許課はさまざまな事情を推し量りながら「運転に少しでも不安があったり自信がなくなったりしたら、まずは運転免許センターや各警察署の交通課に相談してほしい」と話している。

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