「一度、航空機が飛んできたら、未来永ごう飛んでくると思ったら大間違い」。20年前の佐賀空港開港前、当時の運輸省航空局長に担当記者としてインタビューした。その時の言葉が、今も頭にこびりついている◆路線と便数の設定は需要にまかせ自由に―。「航空ビッグバン」といわれた国の規制緩和が始まった頃で、船出した佐賀空港は、小舟のように荒波にもまれた。開港まもなく、東京―福岡線に格安運賃のスカイマークが就航。あおりで東京―佐賀便の搭乗率が急降下。名古屋、大阪便も運休に◆航空局長が指摘した通りになった。でも、局長はこうも言った。「需要開拓を地道にやればいい。熱心さが大事」―。そんな佐賀空港の本年度の利用者数が、開港前の需要予測の73万7千人に達する見通しだという。この報に胸が熱くなる。「佐賀に空港なんて必要ない」。そんな声も聞こえ、予測の数字の達成も正直なところ半信半疑だった◆増便や格安航空会社(LCC)の就航が奏功したが、有明海沿岸道路などのアクセスが整ったのが大きい。加えて福岡県南西部へのセールスをコツコツやってきた県職員の努力も。この結果には汗の重みを感じるのである◆「九州佐賀国際空港」、その名のごとく県民の、そして世界中の人々へ向けて、開かれた扉の未来図を思い描きたくなる。(章)

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