フナが入った水槽が並び、夜明け前から買い求める人たちが訪れた=19日早朝、鹿島市浜町の酒蔵通り

 江戸時代から300年以上続く鹿島の冬の風物詩「鮒(ふな)市」が19日早朝、鹿島市浜町の酒蔵通りで開かれた。郷土料理「鮒んこぐい」に使う寒ブナを求め、夜明け前から多くの人出でにぎわった。

 通りに並んだ水槽の中でフナがぴちぴちと跳ねていた。全国的に珍しい鮒市は「二十日正月」に醸造元や網元が奉公人をねぎらうため、高価なタイの代わりにフナを用いたことが始まりとされる。

 今年も3業者が出店した。マブナを買い求めた大宅弘太郎さん(76)=武雄市山内町=は「昔よく食べた味でいつまでも続いてほしい市。フナは刺し身にして酢みそで食べるのもいい」と笑みを浮かべた。

 浜町振興会の女性たちが「鮒んこぐい」やあめ湯を振る舞い、好評を得ていた。熊本良子さん(70)は「昆布で巻いたフナをダイコンやゴボウと20時間煮込んだ。甘辛く懐かしい伝統の味を大切にしたい」と話した。

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