国営諫早湾干拓事業の調整池からの排水を巡り、農水省が開門に代わる漁業振興基金を使ってポンプを増設する案を示したことについて、佐賀県有明海漁協は18日、提案を受け入れないことを決めた。月内にも開催予定の佐賀、福岡、熊本3県の漁業団体でつくる諫早湾干拓事業対策委員会の中で佐賀の立場を伝える。

 漁協は運営委員長や支所長を集めた会議の中で、農水省の提案を協議した。ポンプ増設の話が浮上したことや、事前通告の徹底など排水方法の改善が図られていることは歓迎する一方、基金を使った増設案は受け入れられないという考えで一致した。

 徳永重昭組合長は「高裁で和解案そのものが出てくるかどうかも分からない不透明な状況で、受け入れるのは難しい」と述べた。

 調整池からの排水を巡っては、漁協が有明海の養殖ノリに悪影響を及ぼす可能性があるとして、国などに小まめな排水やポンプの増設を求めていた。これを受け、九州農政局の担当者らが16日、佐賀市の漁協本所を訪問。2月26日に結審見通しの福岡高裁での訴訟を念頭に、開門しない前提での和解に向けた100億円の基金を財源にしたポンプ増設案を示していた。

 ポンプ増設に関し、山口祥義知事が17日の会見で基金活用に疑問を呈し、国の事業の中で実施するよう注文している。

このエントリーをはてなブックマークに追加