経済協力開発機構(OECD)は6日、72カ国・地域の15歳約54万人が参加した2015年の「生徒の学習到達度調査」(PISA)結果を発表した。日本の高校1年生は科学的応用力が2位、数学的応用力が5位で、前回12年調査からさらに順位を上げ、トップレベルを維持。逆に読解力は平均得点が22点下がり、順位も4位から8位に落ちた。

 算数・数学、理科を中心に学習内容を増やした現行学習指導要領は、今回参加した生徒が小学4年の時に一部先行実施、6年で完全実施された。文部科学省は、科学と数学の好成績を「指導要領に加え、実験や観察に力を注いだ授業の効果が大きい」と分析している。

 今年11月に結果が公表された国際教育到達度評価学会の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)でも日本は小中学生の平均得点が上がっており、理数系学力の上昇傾向が改めて裏付けられた。

 PISAは今回から一部の国・地域を除き、筆記からコンピューターを使って出題、解答する形式に移行。文科省は読解力低下を「読み取りに手間取ったのが一因の可能性がある」とみているほか、読書量や新聞を読む機会が減り、長文に触れることが少なくなった影響も考えられるとした。

 科学的応用力と数学的応用力は、状況に合わせて知識を活用し、課題を理解、解決する力を、読解力は文章やグラフから必要な情報を読み取り、説明する力をみる。

 日本は198校、約6600人が参加。科学的応用力の平均点は538点(前回547点)で順位は4位から2位に上昇。数学的応用力は532点(同536点)で7位から5位に上がった。読解力は516点(同538点)で22点下がった。

 3分野のうち、今回は科学的応用力を詳細に分析した。「科学が将来自分の就きたい仕事で役立つ」と考える割合は61%。比較可能な06年調査と比べ15ポイント近く伸びたが、OECD平均の69%には届かなかった。

 中国のようなOECD非加盟国には地域単位の参加も認めている。全体の国際比較ではシンガポールが3分野でトップを独占、上位にはアジア勢が目立った。前回、前々回で3分野とも1位だった上海は今回、北京、江蘇、広東との合同参加で3分野とも順位を落とした。加盟国のみでは、日本は読解力が6位、ほか2分野は1位だった。【共同】

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