国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防に排水ポンプを増設する案を農水省が佐賀県有明海漁協に示したことに関し、山口祥義知事は17日の定例記者会見で、開門に代わる漁業振興の100億円の基金を建設費に充てる方針に対して「いかがなものか」と疑問を呈し、国の事業で実施するよう注文した。

 増設案は、堤防内の調整池の淡水を諫早湾へ1日10万トンを排水する既設のポンプ1基と同規模の1基を10億~15億円で整備する内容。九州農政局が16日に漁協へ提示した。

 山口知事は「国が漁業者や県を考えて新しいことをやろうというのは感じる」と評価しつつ、「基金の中でというのは(開門しない)和解をのむのと同義」として難色を示した。

 県の要請を受け、堤防排水門の排水予定情報が改善されたことにも触れ、「国や長崎県には感謝しなければならない。(排水の)ルール化を言っているが、お互いに対する思いやりがなされればいい」と述べた。

 開門問題では、「開門調査実施の気持ちはいささかも変わっていないが、国が開門しない方針を明確にして現実的に遠のいて、厳しい状況」との認識を示した。佐賀、長崎両県と国との協議が膠着(こうちゃく)状態の中、「真摯(しんし)に胸襟を開いて話をしていく時期。いい形で協議ができる環境になるよう努力していきたい」と打開へ向けた意欲を語った。

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