出陣式で支持を訴える嬉野市長選候補者=嬉野市の選挙事務所(写真の一部を画像加工しています)

 嬉野市長・市議選は21日の投開票に向け、論戦が繰り広げられている。今年の佐賀県内は嬉野市を含め、首長選が4市3町、議員選も4市3町で行われる。このほか、来年1月10日に任期満了となる知事、武雄市長も年末選挙が有力視される。それぞれの選挙をこれからのまちづくりについて考える機会にしたい。

 嬉野市を皮切りに、2月には小城市議選(11日投票)、みやき町議選(18日投票)、3月には吉野ヶ里町長・町議選(25日投票)が行われる。4月は武雄市議選(8日投票)、有田町長・町議選(同)、神埼市長・市議選(15日投票)、伊万里市長選(同)、鹿島市長選(22日投票)と集中し、8月は玄海町長が任期満了となる。既に出馬の意向表明もあり、各市町では選挙を巡る話題が盛り上がってくるだろう。

 選挙戦ではさまざまな争点が浮上するが、少子高齢、人口減少が進む中で、まちの活力をどう維持していくかは共通の大きな課題である。安倍政権は東京一極集中の是正を掲げてはいるが、一朝一夕に改善は見込めない。知恵を絞っていかなければ、地方の厳しさが増すのは間違いない。

 こうした中で、最も身近な自治体選挙は、各候補者の政策に耳を傾け、自分たちのまちの将来を考える重要な機会になる。そこで語られる産業振興、教育、子育て支援、社会福祉など、さまざまな分野のビジョンを聞きながら、有権者もどんなまちにしていきたいのかを考えたい。

 昨年は、政務活動費の不正支出で辞職した神戸市議や、女性記者にわいせつな行為をしたとして辞任した岩手県岩泉町長の問題などが全国的なニュースになり、「地方政治の劣化」が指摘された。政策以前の相次ぐ不祥事が政治不信を招き、有権者の関心をそいでしまっている。

 佐賀新聞は各市町の選挙前にまちの課題を検証する企画「創生・再生」を掲載しているが、有権者が諦め、無関心であっては創生・再生は難しくなる。各候補者は取り組みたい事業などについて具体的に訴える。有権者はそれをしっかりと見極め、1票を投じる。選挙は政治・行政を再構築する4年に一度の機会であり、双方の積極的な参画によって市政、町政運営の向上を目指したい。

 佐賀県では高校生の県内就職率の上昇や移住者の増加など、人口減少の抑制に向けた取り組みの成果も出ている。しかし、人口減少の大きな流れにあらがうのは難しく、これからは住民に負担や不便を強いることが増えてくるかもしれない。地域の活力を維持し、住みやすさを実感できるまちを目指して、一人一人が主体的に考えてみる。そんな有意義な選挙にしたい。(大隈知彦)

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