佐賀新聞社は21日投開票の嬉野市長選の立候補者3人に政策アンケートを実施した。質問は(1)新幹線の整備方式と開業に伴うまちづくり(2)産業振興策(3)合併12年の現状認識と課題(4)市民生活関係の公約(5)最優先で取り組む公約―の5項目。回答を掲載する。


【設問(1)】

九州新幹線長崎ルートが2022年度、武雄温泉駅で乗り継ぐリレー方式で暫定開業します。その後の整備方式についてどう考えますか。また開業に伴うまちづくりの方針を教えてください。

岸川美好氏(69)
 2022年に待望の新幹線の駅が嬉野市にできます。場所は温泉街から少し離れているため、宿泊客がタクシーを使わないと宿泊施設に行くことができません。各ホテルが送迎のバスを出せばよいのですが、なかなかそうはいきません。従って、嬉野市が嬉野駅と宿泊施設を結ぶ送迎用の無料バスを出していくことが大切だと思います。

村上大祐氏(35)
 開業効果を最大限にするために、関西圏直通が可能なフル規格を国に強く要望。建設費用については、負担割合の見直しを県と連携して国・JRと協議する。ハウステンボスや有田・波佐見の最寄り駅として、西九州の観光拠点機能を担う交通網体系を構築するとともに、駅周辺への事務・IT系の企業誘致につなげる。

藤山勝済氏(67)
 嬉野観光客の現状を見て関西など西日本地方からのさらなる集客増を促進するため、フル規格化が必須と思う。また通勤・通学圏が広がり定住人口の増加も期待できることから、JR西日本とのスムーズな直通化が必要と考える。まちづくりは、嬉(うれ)しい住みたい街・行きたい街・未来ある街づくりに取り組みたい。

 

【設問(2)】

観光や農業などの産業振興にどう取り組みますか。

岸川氏
 町を活気づけるためには、現在閉まっている本通のお店のシャッターを開ける事が大切です。また、よその町にない珍しい料理や土産品の開発、お菓子の開発。一軒一軒の店舗がそれぞれ魅力のあるお店になること。農家の高齢化が進み、後継者がなく農地が遊んでいるので、海外からの研修生を受け入れて農業の効率化を図ることが大切と思います。

村上氏
 嬉野温泉を核に、スポーツ大会や集会の企画・誘致で自ら仕掛けて稼ぎ出す観光地経営の組織を立ち上げて年間宿泊客10万人増を目指す。茶業は老木の改植事業や生産基盤の安定を急ぎ、安売りしない強い産地を目指す。高単価が見込める酒米栽培や施設園芸作物を奨励し、若い担い手の確保にもつなげる。

藤山氏
 嬉野の再発見。市民および観光客による嬉野八景の選定。現在の宿泊型から滞在型観光地への取り組み。農業の地産地消の推進のため、茶・農畜産物を市内旅館、給食センター等大型消費施設への供給システム作りおよび市内生産陶器類の採用を促す助成制度の検討。6次化の推進およびそれの伴う企業誘致。
 

【設問(3)】

合併による新市誕生から12年が経過しました。現状をどのように認識していますか。また課題を改善・是正する施策や思い描く将来像はありますか。

岸川氏
 嬉野町と塩田町が合併して嬉野市が誕生し、いい面、悪い面もありますが、観光といえば、嬉野温泉だけと思われますが、塩田町には志田焼の里や紙すき等の体験施設等もあり、数多くの観光資源があります。2町を一つの観光ゾーンとして全国に発信していくことができます。これからは、塩田町を含めて嬉野市の魅力をPRしなければなりません。

村上氏
 合併時に合意した事業の大半が完了する一方で、基金を当初の倍以上の70億円に積み上げており、財政面で未来づくりの基盤が整う。ただ、市民の一体感醸成が課題。旧町間の交流を促す取り組みとともに、広報・公聴機能を強化して市民との対話を深めて予算や事業配分で要望をくみ取り、理解を得る努力を重ねる。

藤山氏
 観光財産が十分に生かされ嬉野温泉への宿泊動機につながっているとは必ずしも言えない。また、住民サービスが隅々まで行き届いていないのではないかと考えられる。課題改善として既に整備されている公共施設や観光施設の利用促進を図るとともに観光はじめ産業の地域活性化を図りみんなが嬉しい街を実現したい。

 

【設問(4)】

子育てや高齢化対策など、市民生活に関する公約を挙げてください。

岸川氏
 現在、わが国はいずれの地区も少子高齢化が進んでいます。子供を育てるには大変お金がかかります。また、高齢者が多いということは医療費や介護の負担が多くなります。子供を安心して産める環境をつくること、母親が子供を預けて安心して仕事に行く環境をつくること、保育園の負担を無料化すること等が必要です。また、高齢者が生き生きと老後を過ごせる環境づくりが大切だと思います。

村上氏
 子育て世代から要望が多い「子どもセンター」の整備を急ぎ、遊び場や託児、育児相談を一元化する。公民館の老朽化も踏まえ、高齢者サロンや市民活動の拠点機能を組み合わせて相乗効果でにぎわいを創出する。福祉バス運行や買い物する場所の確保など地域事情に応じたきめ細かな支援策を講じる。

藤山氏
 子育て世代・子供たちの住みよい街づくり。小中学生の給食費無償化。高齢化世帯の生活支援体制の確立。公民館・コミュニティーセンター等で行われている老人会等と子育てサポートの融合。市民生活に向けては、公共諸証明書交付の在り方を検討し住民サービス向上を図りたい。

 

【設問(5)】

公約のうち、特に優先して取り組みたいこと、当選後すぐに取り組めることは何ですか。

岸川氏
 嬉野市の課題の中で最も優先しなければいけないのが観光事業だと思います。現在は、海外からのお客さまで、宿泊客も少し伸びています。この現象もいつまで続くものかわかりません。今のうちに、九州はもとより全国に嬉野温泉のPRが必要です。4年後、新幹線の駅ができます。魅力がなければ長崎に素通りしてしまいます。嬉野駅に降りたくなるような魅力ある町にしなければなりません。

村上氏
 人口減少を防ぐには、工業用地の造成を急ぎ、優良農地と山林資源、清らかな水など、地域資源を生かす食品加工・木材加工に的を絞って「攻めの企業誘致」の展開が必要。地場企業の支援策も充実させ地元就職率10%アップを実現する。若い人材を育成する教育施設誘致にも全力を挙げたい。

藤山氏
 小中学生の給食費無償化。中山間地を含め耕作放棄地対策。その一環として新しい農作物の検討。それに伴う6次化および企業誘致。イノシシ対策。移動販売車の導入。空き家空き店舗対策。街灯設置。道路危険個所の改善。米・茶等農作物の具体的企業への営業および販売体制つくり。各事業のトップセールスに努める。

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