「芸を磨き後輩育成にも力を入れたい」と語る登野城吉明さん=那覇市久米の「結風 うたおと」

 地元・八重山へ思いをはせながら登野城吉明さん(22)=琉球大学4年生=は三線を弾き、歌う。

 「八重山民謡は神や自然への感謝、祈りが歌われている。私たちの生活に根付いており親近感が湧いてくる」と魅力を語る。

 1995年、石垣市大浜で生まれた。高校1年の時、島のことをもっと知りたいという思いから八重山民謡を習い始めた。八重山舞踊に親しんでいた母の影響もあった。練習に励むにつれ、伝統文化の継承の大切さを実感するようになった。「下の世代にも伝えたいという義務感に近い感情が生まれた」と振り返る。

 昨年6月、地元新聞社が主催する八重山民謡コンクールで最優秀賞を獲得するなど結果も伴ってきた。現在、那覇市久米にある居酒屋「結風(ゆいかじ) うたおと」で歌う。

 若い世代が八重山文化を継承できるのか危機感を抱く。八重山芸能は地域ごとに発達し青年会を通し引き継いできた。しかし近年、登野城さんの地元でも若者が青年会活動に参加しない傾向にある。「継承ができないと芸能が廃れるかも」と真剣な表情を浮かべる。

 芸能で使われる「すぃまむに」(地域の言葉)を生活の中で多用してもらい、芸能と一般生活を近くに感じてもらことが夢だ。そのために自身も日ごろから「すぃまむに」を口にする。「多くの人に言葉を知ってもらい、若い世代に八重山芸能を伝えていきたい」

 メモ 八重山民謡は石垣島や竹島の島々、与那国で歌い継がれてきた。島人の暮らしや自然を歌い上げる。代表曲は「とぅばらーま」など。「結風 うたおと」は那覇市久米1の16の1、電話098(867)5880。

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