九州電力が再稼働を目指す玄海原発3、4号機の審査「合格」が迫る中、佐賀県は重大事故時の避難渋滞の改善に向けた調査を実施する。2014年に公表した避難時間シミュレーションで渋滞が指摘された複数の交差点を抽出し、交通規制を変更するなどした場合を予測し、避難計画の実効性を高める。

 年度内に委託業者を選定する。抽出する交差点を精査した上で、避難ルートを変更したり一方通行にしたりするシミュレーション作業は来年度になる見通し。渋滞緩和が見込めれば、市町の避難計画に反映させる。11月議会に提案した補正予算案に、国の補助金を活用して委託料3千万円を計上した。

 県は14年4月末に玄海原発で重大事故が起きた場合の避難時間の推計結果を公表した。観光客の有無のほか自主避難をする住民の割合や通行止めになる主要道路を変えるなどして52ケースを想定し、渋滞発生ポイントも挙げている。

 このうち、自家用車使用率が100%で、半径5キロ圏、5~30キロ圏の順に2段階で避難し、5~30キロ圏の住民のうち避難指示前に自主的に避難する住民の割合40%(約7万4千人)を、基本的なケースに設定した。

 主に唐津市方面からの車が集中する同市七山の滝川交差点、多久市の〓(草カンムリに助)原(あざみばる)交差点の2カ所、伊万里市では市街地で長崎県方面からの車も合流する新田橋、国見台西、二里大橋の3交差点で時間によって渋滞を指摘している。

 16年4月末現在、佐賀県内の5キロ圏の人口は8126人、5~30キロ圏は17万9503人。広域的な避難計画は、国と佐賀、福岡、長崎の3県で構成する玄海地域原子力防災協議会が11月22日、実効性を確認している。

=考 玄海原発再稼働=

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