佐賀県内で働きながら技能や知識を学んでいる外国人技能実習生のうち、昨年1年間に失踪した人数が前年の約2・7倍の64人に上ることが、県警の集計で分かった。増加傾向にある実習生が、より良い待遇を求めて都市部に流出している可能性がある。制度を監督する法人は、受け入れ側とのマッチングの食い違いなどを指摘している。

 県警警備1課によると、失踪した実習生は2015年13人、16年24人、17年64人と増加傾向にある。

 いなくなった原因は大半が不明だが、より高い賃金や恵まれた労働環境を求めて県外に移るケースなどが考えられるという。

 昨年までの6年間では、県内の企業で実習していた計3人の失踪者が、入管難民法違反(不法残留)などの容疑で摘発されている。

 実習生の労働状況を巡っては、14~16年度の労災による死者が全国で計22人に上り、労災死の比率が日本の雇用者全体の比率の2倍以上になっている。

 法務、厚労両省が設立し、技能実習計画の認定などを担う認可法人外国人技能実習機構(東京都)は「雇用のミスマッチや実習生への人権侵害など複雑な要因が絡み合って失踪者が出ている」と全国の傾向を指摘する。その上で「受け入れ側が現地での募集や選考に参加して人材を見極めたり、実習生と信頼関係を築いて親身に対応したりすることが必要」と話す。

 外国人技能実習制度は、「途上国への技術移転」を掲げて1993年に始まった。対象は機械・金属や食品製造関係に加え、農漁業など70を超える職種に拡大している。法務省統計によると、全国の実習生は昨年6月末現在で前年同期より約4万人多い約25万人、佐賀県内は455人多い2049人。

このエントリーをはてなブックマークに追加