能舞台の構造を示すパネルや扇などを展示している=唐津市北城内の旧高取邸土蔵ギャラリー

開館10周年を記念して座敷能が開かれた旧高取邸の能舞台=2017年11月撮影

 唐津市北城内の旧高取邸で開館10周年を記念し、土蔵ギャラリー展「能披露」が開かれている。現存する明治期邸宅で屋内にあるのは唯一とされる旧高取邸の能舞台の特殊な構造、「肥前の炭鉱王」の高取伊好(これよし)(1850~1927年)と能の関係に迫っている。

 旧高取邸の大広間棟にある能舞台は、1905(明治38)年8月に完成し、新築祝いで3日間の能が催されたという。披露演目や当時一流の役者が舞台に上がっていたことを紹介。伊好の能愛好の動機や目的を探るため、明治維新で武家の後ろ盾を失い、その後に復興した能の歴史もたどっている。

 能舞台は通常の見学時は座敷仕様になっている。能が演じられる時は老松が描かれた鏡板が奥に移動し、敷居も取り外すなどして、登場人物の入退場口となる「橋掛かり」、囃子方らが座る「後座」、地謡方が座る「地謡座」が出現。音響のために地下にも工夫を施しており、こうした舞台の全貌を図解している。

 伊好の出身地である多久の史料、扇、謡本、謡本を置く見台など17点を展示。唐津市文化事業団の熊本紀子さんは「能舞台の造りの素晴らしさ、高取さんの教養の高さを感じてほしい」と話している。

 2月18日まで。旧高取邸の入場料は一般510円、小中生250円。月曜休館。問い合わせは旧高取邸、電話0955(75)0289。

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