自宅の鉢植えに、奇妙なものを見つけた。ヤモリだろう、ねじれたような格好で枝からぶら下がっている。「これが、モズのはやにえか」―。野鳥モズの仕業と見た◆ここ最近の北朝鮮の変わり身を眺めていると、モズを思い出す。モズが獲物を枝などに刺すのは冬に備えてエサを蓄えるためではなく、そのまま放置する。殺し屋に例えられるゆえんだ。拉致問題を放置し、衆人環視の空港で同胞を手にかけたとみられる北朝鮮に重なる◆土壇場になって五輪出場を伝え「同胞にプレゼントを」などと言い始めた。韓国側もすっかり歓迎ムードで、仲良く入場したり、美女応援団を受け入れたりするのだとか。韓国の浮かれように人ごとながら不安を覚える。強硬と融和を繰り返して時間を稼ぐ、北朝鮮お得意の瀬戸際外交ではないか◆緊張が和らぐのはいいが、北朝鮮がどれほど笑顔を見せても、その後ろ手に核兵器と弾道ミサイルを握りしめているのは変わらない。「ソウルを火の海に」「日本列島を沈める」という脅しを忘れるわけにはいかない◆モズは漢字で「百舌鳥」と書く。二枚舌どころか、百枚舌だ。「モズ勘定」という言葉もある。割り勘のとき、あれこれ言って自分は払わず逃げることを指す。南北対話でソフトムードを演出して経済支援を引き出したい、そんな思惑が透ける。(史)

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