12日、米首都ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地で、大統領専用機に乗り込むトランプ大統領(AP=共同)

 【ワシントン共同】トランプ米大統領は11日、ホワイトハウスで移民制度について議員らと協議した際「くそったれ国家から、なぜ多くの人がここに来るのか」などと中傷する言葉を使い、アフリカ諸国やカリブ海の島国ハイチから来る移民の多さに不満を示した。米メディアが出席者の話として伝えた。トランプ氏自身の白人至上主義的な姿勢が改めて問題視されそうだ。

 これを受け、トランプ氏への抗議の声が12日、世界で広がった。AP通信によると、国連に加盟するアフリカ全54カ国の大使らは米国で緊急会合を開き「常軌を逸した人種差別的な発言」と非難し、謝罪を求める共同声明を発表。米国のほか欧州でも批判が相次いだ。

 トランプ氏は議員らとの協議の場で、アフリカなどではなく「ノルウェーのような国」から、もっと人を招くべきだとも指摘したという。トランプ氏は10日にホワイトハウスでノルウェーのソルベルグ首相と会談したばかり。白人は歓迎する考えとみられる。

 アフリカ連合(AU)は「最も強い言葉で非難する」との声明を出し「発言の撤回と世界のアフリカ人への謝罪」を要求。南アフリカなど各国で政治家や外務省が発言を糾弾し、ハイチの駐米大使は「発言したのなら謝るべきだ」と訴えた。

 欧州では国連人権高等弁務官事務所の報道官がジュネーブでの記者会見で批判したほか、ローマ法王庁(バチカン)の日刊紙オッセルバトーレ・ロマーノが「侮辱的だ」と伝えた。

 トランプ氏は、侮辱発言の報道は「野党民主党の捏造(ねつぞう)」だと主張。だが民主党のダービン上院議員はトランプ氏が「不快で下品な言葉」を会議で確かに使ったと断言し、ライアン下院議長(共和党)は「残念だ」と述べた。

 全米黒人地位向上協会(NAACP)などの人権団体は声明でトランプ氏の姿勢を追及。クリントン元大統領やバイデン前副大統領も「大統領が口にすべき言葉ではない」などと批判した。一方、白人至上主義やネオナチの団体は12日、トランプ氏は「真実を語った」と絶賛した。

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