NHK放送センター=東京都渋谷区

 NHKが2018~20年度の次期経営計画に、テレビを設置した月の受信料を無料にするなど、3年間で総額約170億円に上る受信料の減免措置を盛り込む方針を固めたことが12日、関係者の話で分かった。受信料収入は過去最高を記録しており、NHKは値下げではなく、減免措置や放送サービスの充実で視聴者に還元していく考えだ。

 NHKは現在、テレビを設置した日にかかわらず、設置月は1カ月分の受信料を請求している。また、生活保護受給者や小中学校の教室のテレビなどを受信料免除の対象としているが、今後はさらに、経済的に困難な状況にある学生の免除や法人割引の拡大などを実施していく。いずれの措置も18~20年度の中で段階的に導入する。

 策定中の次期経営計画では、減免措置と同時に、公平負担の観点から受信料の支払率のさらなる向上も図る。17年度末で達成見込みの支払率80%から毎年度1ポイントアップを目指し、支払率の低い大都市圏で重点対策を実施する方針だ。

 受信料を巡っては、籾井勝人前会長ら執行部が16年11月、受信料を月額50円程度値下げする案を提示したが、最高意思決定機関の経営委員会で「今後どれだけの投資が必要になるか分からない」といった反対意見が続出し、見送られた。

 一方で、受信料収入は14年度から3年連続で過去最高(16年度は6769億円)を記録した。放送法は、NHKの業務に関し「営利を目的としてはならない」と定めており、NHKの受信料は、電気料金などと同じく経費に見合う収入にする「総括原価方式」を採用。NHKは有識者でつくる受信料制度等検討委員会を設置するなどし、視聴者への還元策を検討していた。

 受信料は、地上契約で月額1260円(口座・クレジット払い)。12年に最大で月額120円引き下げられた。

■NHK受信料 NHK受信料 放送法は、NHKの放送を受信できるテレビを設置した世帯・事業所について、NHKと受信契約を結ばなければならないと定めている。口座振替かクレジットカードで2カ月ごとに支払う場合、月額は地上契約が1260円、衛星契約が2230円(一部地域を除く)。2016年度決算では、受信料収入は6769億円で過去最高。最高裁大法廷が昨年12月、受信料制度を「合憲」と判断した。

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