会見で今後の訴訟の方針などを説明する馬奈木昭雄弁護団長(中央)=佐賀県庁

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門問題に関連する訴訟で、開門を求める漁業者側は12日、国との和解協議を求める意見書を福岡高裁に提出した。長期化、深刻化する訴訟の最善策は和解による解決と指摘しつつ、開門による有明海再生と干拓地の農業振興を両立させる利害調整を提案している。

 訴訟は開門を命じた確定判決の勝訴原告に制裁金の強制執行をしないよう国が求めており、2月26日に結審する見通し。国側も和解協議の意向を示しているが、開門に代わる漁業振興の基金創設による解決の方針を明確にしている。

 意見書では、漁業者側は昨年12月のノリ漁業者による海上デモなどを引き合いに「開門を曖昧にした和解に応じることは困難」と指摘。開門による干拓地の農作物への影響を防ぐために開門幅を小さくする方法の採用を提案し、干拓地の営農者に配慮した基金創設も求めた上で「裁判所の公平で適切なイニシアチブ(主導)を発揮すれば全面的な解決は可能」としている。

 佐賀県庁で会見した馬奈木昭雄原告弁護団長は「訴訟は大きなヤマ場となる。国が有明海再生に500億円以上を投じても改善しない中、開門が欠かせないのは明らか」と訴えた。

このエントリーをはてなブックマークに追加