佐世保市と有田町の県境の山中で「佐世保軍港境域標」と書かれた石碑を見つけた髙橋輝吉さん(提供)

 佐世保市周辺で旧日本軍の歴史を調べている高橋輝吉さん(89)=佐世保市=がこのほど、有田町との県境付近の山中で、旧佐世保軍港の敷地を示す標石を4本見つけた。高橋さんは「具体的にどこまでが海軍の境域だったのかを示す資料」と発見の意義を語る。

 標石はいずれも「佐世保軍港境域標」「海軍省」「昭和五年十月八日」と書かれ、有田町と佐世保市の境の尾根伝いに立つ。高橋さんは「木が茂っているが、切り払えば佐世保の船の煙も見える。海軍は動向が漏れることを警戒して、山中にまで標石を立てたのだろう」と推測する。

 高橋さんは20年以上前から、戦時中の佐世保軍港の敷地を、かつての海軍省の資料と地形図を照らし合わせて実際に歩き確認する作業を始めた。これまでに有田町との境で見つけた4本を含め、20本を発見。このほか伊万里市などでは旧陸軍の佐世保要塞の敷地を示す標石を、またかつて海軍病院だった嬉野医療センター(嬉野市)周辺でも海軍省の標石を、それぞれ見つけているという。

 「山中を丸一日歩き回っても1本見つかる程度だった」と苦労を語る高橋さん。「当時、山は規制されていて、実際にこの標石を見た人は少ないはず。可能ならば文化財として保護してもらいたい」と話した。

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