蒸したコウゾの枝の皮をうまくむく方法を教わる子どもたち=嬉野市塩田町の鍋野手漉き和紙工房

収穫したコウゾを蒸すため束ねて釜に入れる参加者ら=嬉野市塩田町の鍋野手漉き和紙工房

 和紙の原料であるコウゾの収穫が年明けから7日にかけ、佐賀県嬉野市塩田町の鍋野地区であった。この日は同地区の鍋野手漉(す)き和紙保存会(西野俊行代表)のメンバーや地域住民のほか、塩田小6年の子どもたちも含む約50人が、約35アールの畑で収穫したほか、蒸らしや皮むきの作業に当たった。イノシシにより大きく収量が減った昨年からやや回復し、皮の重量にして200キロ以上を収穫した。

 子どもたちは約1メートルの長さにそろえて約1時間蒸した枝の皮むきを、保存会メンバーから教わった。作業に慣れてくると簡単にむけるようになり、子どもたちは「気持ちいい」と楽しみながら作業した。

 同地区の紙すきは1650年ごろから始まり、障子や傘、ちょうちんに使われてきたとされる。大正の初めごろまでは地区の8割に当たる約60戸で紙すきをしていたものの、1963年に途絶えた。2000年に塩田町商工会の地域活性化事業の一環で復活した。

 保存会の手すき職人は現在3人で、近年加わった見習いも2人いるが、実質は西野代表のみで製造しているという。和紙は嬉野市内の小中学校の卒業証書にも使われている。

 作業に当たった栗山雄陸君(12)は「皮むきはなかなか難しい。卒業証書をもらったら、こうして作業したことを思い出すと思う」と笑みをこぼした。

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