焼き上がりを確認し「上出来」と満足げな表情を浮かべる井上萬二さん=西松浦郡有田町の井上萬二窯

 白磁の人間国宝(重要無形文化財保持者)井上萬二さん(88)の仕事始めに当たる初窯出しが8日、西松浦郡有田町であった。作品を一点ずつ手に取り、鋭いまなざしで出来を確かめ、白磁の美を追求する創作への思いを新たにした。

 昨年末に焼き上げた花器やつぼなど約200点を取り出した。数え年で卒寿を迎えた井上さんは「いつまでも心は少年。気持ちを燃え立たせていく」とこの一年への意欲を示した。

 今年は自らの個展に加え、有田焼窯元や商社、作家の作品を集めた全国巡回展も予定されている。一昨年の有田焼創業400年を記念した巡回展では全会場に足を運び、魅力をアピールした。「いい物を作る窯元を応援したい」と今後も有田焼の発展に力を尽くす。

 初窯出しでは長男の康徳さん(59)、孫の祐希さん(29)も個展などに展示する作品を手に取った。「白磁はわずかな異物も許されない」と、親子3代で並んで入念に仕上がりを確かめていた。

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