窯から出した作品を入念に確認する今泉今右衛門さん=西松浦郡有田町の今右衛門窯

 色絵磁器の重要無形文化財保持者(人間国宝)十四代今泉今右衛門さん(55)の仕事始め「初窯出し」が6日、西松浦郡有田町の今右衛門窯であった。窯から作品を取り出した今右衛門さんは、釉(ゆう)薬の肌合いを確認し「人間の手と自然の炎で生み出す焼き物の原点を見つめ直し、作品に取り組みたい」と新しい年の飛躍を誓った。

 窯の繁栄と安全を祈る神事の後、昨年12月20、21日に火を入れた窯のれんがを取り除き、花瓶や皿、茶わんなど約320点を取り出した。初めて挑戦した白の微妙な色合いを表現するオリジナル技法の雪花墨はじきと伝統の薄墨技法を組み合わせた花瓶などを手に取って入念に確かめ、出来栄えに納得の表情を見せた。

 今右衛門さんは明治維新150年を迎えたことに触れ、「西洋の技術を取り入れ、現在につながる有田をつくった大切な年。これからも伝統の技に新しい美意識を取り入れていきたい」と抱負を話した。

 作品は色絵を付けて再度焼き上げ、9月に佐賀市で開く個展などに出展する。

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