1993年に地方分権推進の国会決議が行われてから今年で四半世紀になる。

 この間、地方分権一括法の施行によって国と地方の関係が形の上では「上下・主従」から「対等・協力」に改まった。国の関与を必要最小限にとどめて地方の自主性を高めるための制度改正も重ねられてきた。

 しかし、国は今でも「通知」や「要請」の形で自治体に口を挟み続けており、構図はあまり変わっていない。自治体予算も、重要財源である地方交付税の配分をはじめとして、国が主導権を握り続けている。

 他方、安倍政権が人口減少の克服と東京一極集中の是正を掲げて旗を振る地方創生は、成果に乏しい。そもそも、看板に補助金メニューをぶら下げて自治体に総合戦略を作らせ、それを国が査定して予算を付けるシステムは、旧態依然の「上から目線」で評判が悪い。

 実際、東京圏の転出と転入を2020年に均衡させる目標を掲げながら、16年は転入超過が11万8千人で、13年より2万人以上増えている。目玉である省庁の地方移転も文化庁の21年度末実施しか全面移転は決まっておらず、内閣の足元で看板政策が滞っている。

 人口減の流れは簡単にあらがえない。地方自治の担い手の多くが、持続可能な地域づくりに腐心している。ただし、縮む日本の責めを自治体に押し付けるのは筋が違う。積年の人口政策の揚げ句である以上、国が責任を持って全面支援すべきである。

 財政面では、地方税の増収を見込んで国から地方への交付税支出が18年度は微減となる。これにより16年度末で21・5兆円にまで積み上がった自治体基金に対する財務省の批判は沙汰やみになった。しかし、都市に偏重する地方税収への是正とともに再燃は必至だ。引き続き緊張感ある財政運営が求められる。

 加速する憲法改正の動きには、地方も巻き込まれる可能性がある。全国知事会が、憲法第8章「地方自治」の強化や2県にまたがる参院選の合区解消などに踏み込んだ改正草案をまとめているが、人口減少局面において拙速は禁物だ。

 統治機構や選挙区に自治体をどう位置付けるか、憲法改正後もそれを維持できるのかなど論点は多い。むしろ人口対策や地方税財政の充実強化など早急に対応すべき改革を先行し、憲法論議にボトムアップさせるぐらいの構えがほしい。

 地方議会の役割も重くなる。小学校の統廃合のような負の配分をしなければならない時代がいずれ来る。議員が議論を尽くした決断で住民を説得する必要があり、その説明責任も問われる。

 一方、高知県大川村で議会に代わる総会が浮上したのに象徴される議員のなり手不足は深刻だ。特に小規模議会で垣根を低くする取り組みは急務で、海外の少数議会の事例なども参考に選択肢を増やしたい。

 今春、地方団体のリーダー格である知事会のトップが代わる。11年から務める山田啓二京都府知事が今期限りの引退を表明した。会長は選挙で決めるが、最近3期は無投票で耳目を集めなかった。かつて小泉政権と厳しく対峙(たいじ)した「闘う知事会」の復活を期して、地方を引っ張るリーダーたらんという意気込みをぶつけ合う会長選を展開し、活性化してもらいたい。(共同通信・佐久間護)

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