教育機会確保法は、国などが不登校の子どもを支援することを初めて明記した。義務教育の中に学校以外での学びも取り込むという、当初の構想は立ち消えになったが、支援者らは「大きな一歩」と法の成立を歓迎する。一方で「不登校を問題視し、学校に通えない子どもを差別している」との懸念も出ている。

 「不十分ながら大きな一歩。休むことの大切さや、学校以外の多様な学びの重要性が盛り込まれた」。東京都内でフリースクールを運営する東京シューレの奥地圭子理事長は評価する。

 フリースクールや、家庭で学ぶ「ホームエデュケーション」といった場が、不登校の子どもにとって救いとなるケースは少なくない。法では当初、こうした多様な学びも義務教育と同等に扱うことを検討していたが、反対論が根強く大幅な修正を余儀なくされた。

 奥地さんは「法には3年後に見直す規定もある。将来はフリースクールなどでの学びを、学校教育とは切り離しても、社会的に支えてもらえるような制度を目指したい」と話す。

 一方、心理カウンセラーの内田良子さんは反対の立場だ。「法は『児童生徒』と『不登校児童生徒』を分けて定義し、差別している。不登校は誰にでも起こり得るのに、子ども個人の問題だと言っているようなものだ」と指摘する。

 不登校経験者や保護者の中にも法に危機感を抱く人は多く、内田さんらは1万人分以上の反対の請願署名を集め、国会に提出したという。

 「不登校の子は、いじめや教員の不適切な指導といった学校現場で起こる問題の被害者。これまでの国の対策が正しかったのか、学校環境の整備はできていたのかなど、検証を先にきちんとするべきだ」と訴えた。【共同】

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