根城史跡 ボランティアガイドグループ 青森県八戸市

デーリー東北新聞社

 青森県八戸市にある国史跡「根城」。南北朝時代に南部氏の拠点として築かれ、現在は主殿や馬屋、工房、納屋などが復元されている。中世の趣を伝える全国でも珍しい歴史遺産を案内するのが、現在33人で活動する「根城史跡ボランティアガイドグループ」だ。「自然に、無理なく、楽しく」をモットーに、発足から20年間で計11万人を超す人々に魅力を伝えてきた。

「楽しく」モットー、活動20年

 

地元の小学生を案内する根城史跡ボランティアグループの松浦富子さん(右)=2017年11月

 青森県内の史跡ガイドの先駆けとして1997年に発足し、昨年20周年の節目を迎えた。定年退職した世代を中心に、歴史にロマンを抱いた20~70代のメンバーが活動する。毎年4月から12月初めまで、敷地内のガイドハウスに常駐。ガイド料は無料で、予約がなくても柔軟に対応している。
 メンバーは八戸市博物館の監修で作ったガイドブックをもとに、城の主要

 

エリアを公園に整備した「史跡根城の広場」の本丸部分を中心に案内。天守閣や石垣、水堀がある近世の城郭と比べて華やかさはないが、素朴で味わい深い根城の特徴を来場者一人一人に丁寧に紹介している。 
 昨年11月、根城を訪れた地元の小学生へのガイドを担当したのは松浦富子さん(71)。「これから何百年も前にできた中世のお城を見に行きます」と児童を引き連れて門の中へ。「地元の歴史に興味を持ってもらいたい」と、忠実に復元された城の細部まで詳しく説明していた。 
 場内には約50種の木や草花が植えられており、四季折々に散策も楽しむことができる。樹齢700年とされるイチョウの葉や、155本が立ち並ぶシダレザクラの花で作ったしおりを販売。メンバーは来場記念にと思いを込めて制作する。 
 昨年9月には、八戸市の市制施行“88周年”の記念事業で、人間国宝の狂言師野村万作さんらによる薪(たきぎ)能(のう)を初めて開催。約1700人が来場し、かがり火に照らされた幻想的な雰囲気で行われた舞台を堪能した。 
 グループ代表の加藤眞人さん(73)は「(日本城郭協会の)『日本100名城』にも選ばれた、根城の限りない可能性を感じた」と感想。八戸が誇る地域資源を全国へ発信する気持ちを新たにしている。(デーリー東北新聞社報道部・瀬戸麻理乃、写真部・井深裕介)

中世の城を復元し、史跡の主要部分を公園化した「史跡根城の広場」=2017年4月、八戸市


 ■根城

 南北朝時代の1334年、北畠顕家から後醍醐天皇側の南朝方の武将として甲斐(現山梨県)から北東北へ赴任を命じられた南部師行が構築。以後300年間、岩手県遠野に国替えとなるまで根城南部氏が拠点とした。馬淵川西岸の高台にあり、面積は12万平方メートル。1941年に国史跡指定。中世城郭として国による発掘調査が初めて行われ、94年に「史跡根城の広場」として公園化した。

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