犬は古来から人に寄り添うように生きてきた。癒やしのペットとして、時に狩りのよき相棒として。オオカミが祖先で、人とともに列島に渡ってきたとされる◆国内で飼育されている犬と猫の数が、24年前の調査開始以来、昨年初めて猫が上回った。今は猫ブーム。とはいえ、日本人との付き合いの長さでは犬に軍配だ。佐賀市の8000年前の縄文遺跡「東名(ひがしみょう)遺跡」から犬の骨が出土している。鹿や猪(いのしし)を追っていた狩猟犬で、大事に埋葬されていたから、日本一古いペットともいわれている◆奈良時代の皇族、長屋王の邸宅の発掘調査では犬についての木簡が出た。米の飯を与えていたとある。当時としては贅沢(ぜいたく)なことだ。今では考えられないが、犬が人の胃袋に収まっていた時代もあり、太らせるためかもしれない(佐原真著『食の考古学』)◆今年の賀状は、干支(えと)の戌(いぬ)のアイデアあふれるものが多く届いた。戌に験を担ぐのは株式相場である。「申(さる)酉(とり)騒ぐ、戌笑う」がその格言。1958年から過去5回、騰落率が下がったのは70年だけ。投資家には、笑いが止まらない年になるだろうか◆きょうは証券取引所の取引開始日「大発会」。年末の東京市場では、株価が26年ぶりの高値をつけた。誰かがもうかっているのだろうが、庶民には実感がない。いつになれば、私たちも笑えるんだか…。(章)

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