扇を構える山口晃生君=唐津市呼子町の呼子公民館

舞と謡で表現稽古の日々

■山口晃生(あきお)君(15)海青中3年

 唐津市呼子町の山口晃生(あきお)君(15)=海青中3年=は、能を習い始めて7年。「竜や猿、化け物などいろんな役を舞と謡で表現するのが面白い」と魅力を語る。
 「足が開いてる」「動作はゆっくり」。地元で開かれている月に1、2回の教室で、細かい指導が飛ぶ。能は他の舞台と違って観客が受け取る情報が少ない。そのため動作一つで登場人物の感情や場面を表現しなければならない。山口君は「普段の生活でも、細かい所作を意識するようになった」ときれいな姿勢で話す。
 昨年3月には親戚の結婚式で、父と一緒に能を舞った。反応は、「すごい」「初めて見た」と上々で、親戚も「いいものを見せてもらった」と喜んでくれた。「緊張したけど失敗せずにやれた。やってよかった」と山口君。8月にも船上の舞台で公演し、着実に場数を踏んでいる。
 現在は、今年3月の中学最後の公演に向けて稽古に励む毎日。教室には生徒7人が通うが、中学生は山口君1人だけ。学校の友達も能についてよく知らないが、だからこそ「貴重な経験をしていると思う。日本の伝統文化を学んでいるという自覚を持っていたい」。高校進学後も能を続けるつもりだ。
 


<エール>「離見の見」身に付けて

 能楽師・林本大さん(40)=大阪府 3月の公演に向けて練習する演目は、周囲と呼吸を合わせる対応力が必要になる。少しずつ、自分の演技を客観視する「離見の見」を学んでほしい。中学まで続ける生徒は少ない中で残ってくれた。小学生のころと比べ、責任感や積極性がついた。目の前のことに一生懸命取り組み、自分で決めた目標に向かい努力できる。大勢の人の支えがあって舞台に立てるという感謝を忘れないで。

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