一風変わった“書き初め”を、40代からずっと続けていると、作家の落合恵子さんが明かしていた。正月に行う「エンディングノート」の書き換えのことである◆エンディングノートには、人生の終わりを迎えた時に延命治療はしないとか、親しい人へのメッセージなどを書き留めておく。「自分の命に限界があると知ることは、むしろ今日を生きるための大きな力」「一年の始まりに書くのは、今年一年をがんばろうと思えるから」◆農家向けの家庭雑誌『家の光』(2015年12月号)のインタビューに答えていた。これを受けた同誌の付録「未来にのこす わたしノート」は「よく会う友人の連絡先は」「介護してほしい場所は」などの問いかけに答えながら書き込む作り。「子や孫に伝えたいわが家の味」のページまであるのが、JAグループの雑誌らしい◆各地で開くノートの書き方教室も盛況で、講師を務める家の光協会の塚原誠さんによると、ノートがきっかけになり、おばあちゃんから引き継いだ料理を地域の名物として売り出したケースもあるとか。苦心した自慢のレシピが、未来に生き続けるわけだ◆「終わりのためではなくて、生きていくための自分との約束であり、覚悟でもある」と落合さん。これからの人生をどう生きるか、年の初めに考える時間を持つのも悪くない。(史)

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