サガン鳥栖のフィッカデンティ監督=静岡県磐田市のヤマハスタジアム

 サガン鳥栖は今年、J1参戦7年目のシーズンを迎える。昨季は実績のあるベテランと若手がうまく融合し、一桁順位の8位で終えた。戦術も成熟し、指揮3年目のマッシモ・フィッカデンティ監督は「個々の選手をより成長させ、一つでも上の順位を目指す」と勝負の年を見据える。

 「1年目はゼロからのスタートで、2年目は選手起用を模索しながらの戦いだった」-。昨季はシーズン始動前に主将の金民友(キム・ミヌ)や守護神の林彰洋らが移籍。6月末には司令塔の鎌田大地が海外挑戦でチームを去り、「根本的にやり方を変えざるを得なかった」とフィッカデンティ監督。主力のけがも続く中で、新戦力が攻撃の中心を担った。

 FWビクトル・イバルボの抜群のキープ力を生かし、周囲の選手がスペースに走り込んでゴールを奪取。MF原川力のプレースキックは正確無比で対戦相手の脅威となった。複数の戦術を常に用意し、対戦相手や試合の状況に応じて自在に変えた。「厳しい戦いを重ねる中で戦術の理解も深まった」と手応えを語る。

 大敗した試合は少なく、日本代表に復帰したGK権田修一の的確なコーチングで安定した守りを見せた。DF谷口博之の長期離脱は痛かったが、途中加入した韓国代表DFチョン・スンヒョンがすぐにチームに溶け込んだことも大きかった。

 指揮官は「ベテランも若い選手もしっかり使うことができた」と、年齢バランスがよくなったことも強調する。昨季最終戦の先発出場選手の平均年齢は26歳で、18チームの中で最も若かった。ルーキーのFW田川亨介は後半主力の座をつかみ、U-18、U-20日本代表として世界を経験。長期的な視点に立ったチームづくりの成果が出始めており、今季も若手選手を補強している。

 1年目11位、2年目8位とランクアップし、さらに上を目指すには何が必要なのか。指揮官は“継続性のある戦い”をポイントに挙げる。昨季はホームで11勝と圧倒的な強さを見せたものの、アウェーではわずか2勝にとどまった。連敗は2度しかなかったが、連勝も1度しかなかった。

 「この2年間でチームに関わる全ての人がまとまり、強くなるための一体感が生まれている」とフィッカデンティ監督。「開幕までの期間で戦術、テクニックともに向上させていく」と、今季のチームスローガン「ITADAKI(頂)」への挑戦を始める。

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