2020年の東京五輪で「二刀流」での活躍が期待される太陽誘電の藤田倭

 東京五輪で3大会ぶりに正式種目として復活する女子ソフトボール。北京五輪以来となる金メダルを目指す日本代表で投打の要として「二刀流」で活躍する藤田倭(27)=佐賀女子高出身、太陽誘電=を突き動かすのは飽くなき探究心だ。一日一日を大切に、「2020東京」への階段を着実に進んでいる。

 日本代表の上野由岐子(ビッグカメラ高崎)を継ぐ次代のエースとして注目を集める。群馬県にある実業団チーム太陽誘電ではエースで4番。2016年は最多14勝を挙げたほか、打撃でも本塁打8本、打点20点と大車輪の活躍を見せ、大会MVPに選ばれた。

 長崎県佐世保市出身で、06年に佐賀市の佐賀女子高に入学。1年生で4番を担い、全国高校総体で優勝すると、2、3年時にはエースとして国体2連覇を果たした。当時、チームを率いた久保田昭監督(故人)から学んだことは「すべてのプレーに理由と原因がある」ということ。投打において一球一球を考える癖が身に付いた。

 高校卒業と同時に09年に太陽誘電に入団したが、初めは実業団の高い壁にぶつかった。投手として満足に結果を出せず、「このまま辞めてしまおうか」と思ったこともあった。それでも、佐賀の恩師や仲間にも支えられて「自分にはソフトボールしかない」と思い直し再び練習に専念。周囲も目を見張る努力で投打に力を伸ばし、日本代表でも主力を務めるまでに成長した。

 15年末に手術した右ひじの状態もよく、いまは新しい球種を覚える練習を始めた。ただ、「理想の選手像にはまだまだ遠い」と藤田。「もっと強い打球が飛ばせるようになりたいし、国際大会でも通用するような投球術も必要」。強い向上心をのぞかせる。

 グラウンドで繰り返しつぶやく「なぜ」。飽くなき探究心のその先に東京五輪のマウンドが待っている。

 

 ふじた・やまと 5歳の時に兄の影響でソフトボールを始める。佐賀女子高時代に高校総体、国体で日本一を経験。卒業後は太陽誘電に入社し、2012年に日本代表に初選出された。16年のリーグ戦で最多勝、本塁打王、打点王の3冠を達成し、MVPを獲得した。右投げ右打ち。長崎県佐世保市出身。27歳。

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