(左から)DeNA・宮崎敏郎内野手、濵口遥大投手

 昨季セ・リーグ3位から阪神、広島とのクライマックスシリーズを制し、19年ぶりに日本シリーズに進出したDeNA。チームの躍進に佐賀県出身の2選手が貢献した。佐賀県唐津市見借出身の宮崎敏郎内野手(29)=厳木高出身=と、佐賀県三養基郡基山町出身の濵口遥大投手(22)=三養基高出身=だ。

 プロ5年目の昨季、宮崎選手は5番・三塁としてレギュラーに定着し、128試合に出場。広角に打ち分ける巧みなバット操作で打率3割2分3厘をマークし、首位打者のタイトルを獲得した。守りの評価も高く、ベストナインにも輝いた。

 神奈川大からドラフト1位で入団した濵口投手は、ローテーションの一員として22試合に登板。140キロ台後半の直球にチェンジアップやスライダーを織り交ぜる投球で10勝を挙げ、球団の新人左腕として59年ぶりとなる2桁勝利の快挙を成し遂げた。

 プロ野球史に残る名勝負となった日本シリーズはソフトバンクに敗れたが、「この経験は必ず次につながる」と2人。充実のシーズンを振り返ってもらうとともに、今季に向けた抱負を聞いた。

身近に感じた佐賀の縁

<濵口遥大投手 「150イニング投げ切る」>

 2桁勝利に日本シリーズ、クライマックスシリーズでの好投。新人特別賞も獲得した。「想像以上のでき。正直、ここまでやれると思っていなかった」。DeNAの濵口遥大投手(22)=三養基高出身=は充実の1年目を笑顔で振り返った。

 順風満帆だったわけではない。4月末から1カ月勝てず、7月中旬から2軍に落ちた。ひたすら勝ちを欲していた。そんな時、ラミレス監督から「勝つための過程をちゃんと考えろ」と指導を受けた。走者を出さない配球、走者を出しても先に進めない配球。試合前の練習から意識を変え、1カ月で1軍復帰した。

 コントロールで勝負するタイプではない。マウンドでほえ、思い切り腕を振って打者に向かっていく。「開眼」したと思えるゲームがある。8回無失点、1-0で勝利した9月3日の巨人戦だ。ほとんど投げないスライダーとカーブでカウントを整え、得意の直球やフォークで打ち取る。「一皮むけた。この試合が日本シリーズでの好投につながったと思う」

 チームメートの宮崎選手が活躍し、西武の辻、広島の緒方両監督の対決も話題を集め、例年になく佐賀県民がプロ野球を身近に感じた一年。「佐賀の選手のつながりは強い」と言う。特に巨人の長野久義選手は同郷のヒーロー。「あこがれの先輩だからこそ、打たれたくない」。チェンジアップで打ち取ると「まっすぐでこいよ」と冗談ぽく声を掛けてくれる。

 今季の目標は投球回数150イニングだ。今季は123回3分の1だった。「年間でローテを守り、平均で7~8回まで投げる」。それがチームを優勝に導くと信じている。

 はまぐち・はるひろ 三養基高-神奈川大卒。2016年ドラフト1位でDeNAに入団。ルーキーイヤーの昨季は開幕1軍入りして22試合に登板、10勝6敗でチームの日本シリーズ出場に貢献し、新人特別賞に選ばれた。基山町から町民栄誉賞を授与された。22歳。

<宮崎敏郎内野手「今年こそリーグ優勝を」>

 「大変な一年だったが、チームとして日本シリーズに進み、個人タイトルも取れた。いい経験ができた」-。昨季セ・リーグの首位打者に輝いたDeNAの宮崎敏郎内野手(29)=厳木高出身=は、躍進を遂げた2017年をこう振り返る。

 開幕はベンチからのスタート。初先発となった4試合目の初安打がきっかけとなり、レギュラーに定着した。6月のロッテとの交流戦で逆転満塁弾。8月の広島戦では筒香、ロペスとの3者連続で本塁打を放つなど勝負強さが光った。

 打率は3割5分を超え、首位打者争いのトップを独走していたが、調子を落としてマギー(巨人)に抜かれた時期も。それでも徹底的に“自分流”にこだわり続けた。

 振り子のようにバットを揺らし、タイミングを図る独特の打ち方は、身長172センチと大柄でない中で飛ばすことにこだわって到達したもの。硬式野球・唐津ボーイズに入団した小学6年生のころから工夫を重ね、「どんな時も、我慢強く辛抱して続けてきた」という。

 ソフトバンクと戦った日本シリーズの活躍も鮮明に記憶に残る。第4戦、濵口選手が粘投する中、五回には本塁打で後押し。佐賀コンビの活躍でシリーズ初勝利を挙げた。濵口選手には「佐賀の後輩なので、勝ちをつけさせてやりたいという思いはある」と語る。

 128試合に出場し、初の規定打席到達。確かな手応えをつかむ一方、「打ち損じも多かったし、守備でも見えないエラーが多かった」と厳しく見つめる。「今年こそリーグ優勝を。再び日本シリーズに出たい」。攻守でチームを引っ張る覚悟だ。

 みやざき・としろう 厳木高-日本文理大卒。セガサミーから2012年ドラフト6位でDeNAに入団した。昨季は128試合に出場して初めて規定打席に到達。打率3割2分3厘で首位打者のタイトルを獲得し、ベストナインにも選ばれた。29歳。

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