熊本空港の滑走路を利用して離陸するオスプレイ=2017年12月13日、熊本県益城町

 山口祥義知事は、1期目の最終年を迎える。今年は佐賀空港へのオスプレイ配備計画の判断が最大の焦点になりそうだ。3月から玄海原発3、4号機が相次いで再稼働するほか、九州新幹線長崎ルートは、年度末にも整備方針に関する国の試算結果が示される見通しで、フリーゲージトレインの導入を前提とする現行計画を見直す議論が本格化する。国政課題の行方を展望する。

<オスプレイ配備>知事の判断焦点

 佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画は、2016年12月に沖縄県名護市沿岸部で米軍機が大破して以降、事故が相次いでおり、安全性に関する県民の不安は高まっている。一方で17年には県議会と佐賀市議会が計画受け入れを求める決議をして、山口知事の判断を迫った。任期があと1年の知事にとって正念場となる。

 県は防衛省に対し、安全性に関する説明を求めている。「遅くとも2月前半までには説明に来るように関係者は努力しているはず」と自民県議。今期のノリ漁期が終わる春ごろから漁業者との議論を本格化させるためには「2月議会でもんで、知事が受け入れの判断ができる環境を整える必要がある」と説明する。

 ただ、計画受け入れの鍵を握るのは駐屯予定地の地権者でもある漁業者だが、国に対する不信感の払拭(ふっしょく)は、ほとんど進んでいない。“不信の根源”になっている諫早湾の潮受け堤防について、県は「オスプレイとは別問題」として大量排水問題に取り組む姿勢を示す。ある自民県議は「この成否がオスプレイ受け入れ条件の重要な要素になる」とみているが、国や長崎県との交渉は困難を極める見通し。

 佐賀空港に配備予定の17機中、最初の5機が今秋にも米国から輸送され、暫定配備先にも注目が集まる。

<九州新幹線長崎ルート> 計画見直し議論本格化

 九州新幹線長崎ルートは、開発が難航するフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)の導入を前提とする現行計画を見直す議論が本格化する。国は3月までに全線フル規格化や在来線の幅を広げるミニ新幹線の投資効果や費用などの検討結果をまとめる方針を示している。
 長崎ルートの整備方針を決める与党プロジェクトチームの検討委員会が国土交通省に対し、FGT導入を含めた3パターンの比較選択の判断に必要な数字を示すよう求めている。石井啓一国交相は17年12月に長崎ルートを視察した際、「年度末を目指して着実に調査している」と述べた。
 与党PTは、報告を受け佐賀、長崎両県やJR九州などのヒアリングを経て速やかに一定の結論を得るとしている。佐賀県の山口知事は全線フル規格化について多額の財政負担などを理由に否定的な考えを示している。

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