たそがれに落陽を見据えるように立つ鍋島直正像。左は鯱の門=佐賀市城内

 たそがれの佐賀市の佐賀城公園。鯱の門北側に立つ佐賀藩10代藩主鍋島直正の銅像が、凜(りん)とした立ち姿で落陽を見据えている。混迷の幕末期、直正は鉄製大砲の鋳造や蒸気船の建造、西洋医学の導入など先を見通した改革を次々と断行した。今の時代に再び視線をそそぐとしたら、その先は海の向こうか、来たるべき未来か-。

 2018年は明治改元から150年。佐賀県内では「肥前さが幕末維新博覧会」が3月に開幕し、佐賀が誇るべき歴史や文化が紹介される。教訓をくみ出し、これからに生かすことができるかも問われてくる。

 今年の県内は国策絡みの県政課題を中心に、先を見通せない状況が続いた。佐賀空港への自衛隊オスプレイ配備計画は米軍機の墜落、トラブルが議論に影響を与え、新幹線長崎ルートはJR九州がフリーゲージトレインの導入断念を表明した。諫早湾干拓事業の開門問題は、国が開門しない方針を打ち出し、さらに複雑になった。

 フェイクニュース、忖度(そんたく)、インスタ映え…。実相が見えづらいありようを形容した言葉がはやった。唐突にも映った衆院の解散・総選挙は自民の大勝に終わり、森友・加計(かけ)学園問題の疑惑は払拭(ふっしょく)されないまま。日本を代表する製造業では、相次いで不正が発覚した。

 真贋(しんがん)を見極め、確かな選択をしていく。その試みを積み重ねていくことでしか、視界は開けていかないのかもしれない。

 「平成」という時代が幕を下ろすまでのカウントダウンも既に始まっている。新年は、平成を総括しながら新たな時代を迎える準備の年にもなる。自らの立ち位置を確かめ、次代の光を感じられるように-。そう願いながら、さようなら2017年。

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