自民、公明両党は8日、2017年度の与党税制改正大綱を決定した。所得税の配偶者控除は主婦がパートで働く世帯を中心に適用を広げる一方、新たな所得制限を導入して高所得者に負担増を求める。酒税はビールや日本酒が減税、逆に発泡酒や第三のビール、ワインは増税。エコカー減税や企業の優遇策は対象を絞り込んで重点化する。国と地方で計300億円程度の減税を見込むが、家計や企業の税負担は立場によって明暗が分かれる形となった。

 ここ数年の税制議論の中心となってきた消費税増税は税率10%への引き上げを19年10月まで延期する法律が今年11月に成立。今回の改正では所得税改革が焦点となった。ただ配偶者控除の年収要件を引き上げる小幅修正にとどまり、性別にかかわらず自由に働き方を選べる税制や所得格差を縮小する仕組みの構築は課題として積み残した。

 配偶者控除は、満額38万円の控除を受けられる要件を配偶者の給与年収が「150万円以下」の人とし、現在の「103万円以下」から引き上げる。全体の税収が減らないよう世帯主の稼ぎを基準に所得制限を設け、年収が1120万円を超えると控除額が段階的に減る仕組みとした。国税の所得税は18年1月、地方税の住民税は19年6月の納税分から適用する。300万世帯強が減税、100万世帯が増税となる見込みだ。

 こうした見直しはパートで働く女性らの就業調整をなくすことを目的とし、所得税改革の第1弾として実施する。控除全般に広げた抜本改革は「今後数年かけて取り組む」と明記した。所得格差の是正を目指し、18年度改正では高所得者に有利な「所得控除方式」の見直しを検討する。酒税はビールの税率を下げていく一方、発泡酒と第三のビールは上げ、26年10月に350ミリリットル缶当たり54・25円に一本化する。ビール類とは別に日本酒とワインの税率を統一し、酎ハイもこれにそろえて増税とする。エコカー減税は19年春まで2年延長するが、燃費性能の比較的高い車に適用を絞り、段階的に縮小する。賃上げした企業の法人税を軽くする税制は中小企業向けを拡充する一方、賃上げが2%に満たない大企業は減税対象から外す。

【ズーム】与党税制改正大綱

  税金の税率や課税対象をどう見直すかといった内容や今後の検討課題を盛り込んだ文書。自民、公明両党の税制調査会が省庁や業界団体からの要望を踏まえ議論して決める。予算編成に合わせて秋から作業を本格化し、12月に大綱をまとめるのが通例。与党の結論に基づき政府は大綱を閣議決定し、関連法案を翌年の通常国会に提出する。

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