大学入試センター試験まであと2週間、受験生は最後の追い込みを迎えた。カナダ人作家モンゴメリの名作『赤毛のアン』(山本史郎訳)にも、受験を控えて揺れる姿が描かれている◆「生徒たちはだれもかれも心がぐにゃぐにゃと萎(な)えてしまいそうな気がした」と。主人公アンも「真夜中に目がさめて、落っこちたらどうしようって考えるの」「あたし試験であがる方だから、目茶苦茶(めちゃくちゃ)やっちゃいそうだわ」と、緊張で実力を発揮できないかもと心配が尽きない◆赤毛のアンの出版は1908年。100年たとうと、国が違おうと、受験生の心理は変わらないようだ。逃げ出したくなるような不安にさいなまれて、好きな本の世界に現実逃避してみたり、時間を無駄にしてしまったと自己嫌悪に陥ったり◆残り時間をどう生かすか。受験生向け雑誌『蛍雪時代』がセンター対策を特集している。「あとは、心と体を整えること。大舞台で、最高の成果を出す準備をしよう!」と、試験会場を下見する心理的な効用や、試験時間をにらんで朝型に切り替える大切さなどを細かにアドバイスしている◆受験を乗り越えたアンの感慨。「努力して成功するのも結構だけど、その次に良いのは、努力して失敗することだわ」-。アンにならって、自らの限界に挑んだプライドを残そう。悔いなき闘いを。(史)

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