核ごみ動員問題の経過

 原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場を巡る意見交換会で、謝礼による学生の動員が常態化していたことが調査で裏付けられた。原子力発電環境整備機構からの動員指示はなかったとするが、運営を委託先に丸投げし、調査でも謝礼のやりとりを完全には解明できないなど、ずさんな体制が浮き彫りになった。

 最終処分は場所の選定から核のごみを運び終えるまで、100年を超える長期事業のため、次世代を担う若い参加者を増やすことが課題だった。若者が集まらず、成果を求められる機構や委託先が無言のプレッシャーを感じ、謝礼を持ち掛けた動員に結び付いた可能性もあるが、調査は踏み込まなかった。

 原発を巡っては、過去にも再稼働への理解を求める住民説明会に電力会社が社員を動員するなど、国民の不信を招く問題が繰り返されてきた。今回の意見交換会も、実態は広く国民の声を聴いたかのように装う「アリバイづくり」の場だったことは否めない。経済産業省と機構は、今回の問題が原子力政策全体に対する国民の信頼を失ったと自覚すべきだ。【共同】

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