九州電力は8日夜、定期検査で停止している川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転を再開した。新規制基準下で、定期検査のために停止した原発を稼働させるのは初めて。定期検査による停止後の原子炉起動には知事らの地元同意は必要なく、脱原発を掲げる鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事も事実上稼働を容認。九電は予定通り1月6日の営業運転への移行に向けた準備を進める。

 三反園知事はこの日、「専門家が安全性に問題があるとした場合、稼働の有無にかかわらず強い対応を取りたい」と述べ、県による専門家委員会の設置を急ぐ一方、現時点では運転再開の延期は求めない考えを示した。

 九電によると、8日午後9時半から原子炉内の制御棒を引き抜き、核分裂が起きる状態にした。9日午前には核分裂反応が連続する「臨界」という状態になり、11日午後に発電を再開する見込み。

 原子炉停止中の定期検査では、原子炉本体や使用済み核燃料の保管設備などに異常がないかを確認。燃料棒を束ねた「燃料集合体」157体のうち、48体を新しいものに取り換えた。

 九電は原子炉起動後も設備の点検を継続。営業運転復帰前には、原子力規制委員会が、原発が正常に稼働しているか確認する「総合負荷性能検査」を行う。九電は熊本地震の影響の有無を調べる「特別点検」も並行して実施しており、11日までに終える予定だ。

 三反園知事は、8~9月に川内原発の即時一時停止を九電に2度要請。九電は拒否し、10月6日から定期検査に入った。三反園知事が運転再開の延期を求めるかどうかが注目されたが、1日の県議会で事実上稼働を容認する姿勢を示していた。

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