国営諫早湾干拓事業の開門調査を巡る訴訟の和解協議を指揮している福岡高裁と長崎地裁に対し、有明海沿岸の漁業者や支援者らでつくる市民団体「有明海漁民・市民ネットワーク」は8日、開門を選択肢に含めて和解協議を継続するよう求める要請書を提出した。

 長崎地裁は1月、開門しないことを前提とした和解を勧告、国はそれに沿って漁場環境改善策として100億円規模の基金創設を提案している。現状の基金案では漁業者側の理解が得られず、和解の成立は困難な見通しとなっている。

 要請書では、基金案は従来の有明海再生事業の域にとどまり、根本的な海の再生にはつながらないと主張し、「開門しないことを前提とする和解案では解決が望めない以上、前提条件をつけない協議を始めるステージに来ている」と指摘。「協議を打ち切って判決を出すことも可能だが、それでは円満な解決にならない」と和解協議の継続を強く求めた。

 この日は同ネットワークと漁業者側の弁護団、研究者らが福岡市内で会見を開いた。ネットワークの陣内隆之さんは「ポイントは裁判所の指揮。いくらお金を積んでも、有明海を駄目にした原因に対する対策を立てなければ解決にはならない。唯一やっていないことが開門」と強調した。

 長崎地裁の次回和解協議は12日。

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