今季の互いの健闘をたたえ合う広島の緒方孝市監督(右)と西武の辻発彦監督=17日、神埼中央公園

 佐賀県出身の指揮官2人が、2017年のプロ野球を盛り上げた。広島を37年ぶりのリーグ連覇に導いた緒方孝市監督(鳥栖高出身)と、就任1年目で西武を4年ぶりのAクラスに引き上げた辻発彦監督(佐賀東高出身)。2人に今季を振り返り、来季に向けた思いを聞いた。

緒方監督 球団初の3連覇目指す

 今季は開幕直後から盤石の試合運びを見せた。88勝51敗4分けで、2位阪神に10ゲーム差をつけてのリーグ連覇。「チームとして目標に掲げてやってきたので、よかった」と胸をなで下ろす。

 原動力となったのは厚みのある攻撃陣だ。チーム打率2割7分3厘、736得点はいずれも12球団トップ。リーグMVPの丸佳浩や3割超えとなった安部友裕が力強くけん引した。ベストナインに輝いた菊池涼介も攻守で活躍。若手、ベテランがうまくかみ合った。

 投手陣も15勝をマークした薮田和樹を筆頭に、岡田明丈(12勝)、大瀬良大地(10勝)と3人が2桁勝利を挙げ、9勝の野村祐輔も安定。リリーフ陣が大崩れすることはなかった。「一年一年結果を出し続けることが大切」と言い切る。

 セ・リーグでは今季、DeNAの県出身2選手が躍動した。宮崎敏郎(厳木高出身)が首位打者に輝き、大卒ルーキーの濵口遥大(三養基高出身)は10勝をマーク。「県出身選手が活躍するのはうれしい」と語る一方、「敵チームなので…」と警戒を緩めない。

 初采配の2015年はリーグ4位だったが、2年目の昨季は25年ぶりのリーグ優勝を果たし、日本シリーズに進出。経験を積み上げ、「やるべきことが分かってきた」と話す。それだけに今季のクライマックスシリーズ敗退には悔しさが残る。

 悲願は1984年以来の日本シリーズ制覇だ。「新たな目標とかではない。来年はファンの期待に応えられるシーズンにする」。まずは球団史上初となるリーグ3連覇へ。スタンドを真っ赤に染めるファンとともに歓喜を味わうつもりだ。

辻監督 10年ぶりリーグV狙う

 「あっという間だった」。3年連続Bクラスに沈んだチームの再建を託された指揮官は、就任1年目をこう振り返る。79勝61敗3分けの2位で、4年ぶりのAクラス返り咲き。「チームとして成長できた」と感じる一方、「まだここまでかなという思いも。最後までは勝ち抜けなかった」と厳しく見つめる。

 「チーム内の競争」を掲げて始動。内野手では新人王に輝いた源田壮亮や23本塁打を放った山川穂高が台頭した。首位打者の秋山翔吾や日本代表入りした外崎修汰らの活躍も。「外野手は層が厚くなった」と胸を張る。

 一方、課題は投手力。エース岸孝之が抜け、16勝の菊池雄星が最多勝のタイトルを獲得したが、2桁勝利は菊池と野上亮磨(11勝)の2人だけ。野上は巨人への移籍が決まり、「若手にはチャンス。安定して結果を出してくれたら」。高橋光成や今井達也ら甲子園組への期待が高まる。

 「2軍のレギュラーとして頑張ってくれた」。指揮官は今季2軍で106試合に出場し、6月に1軍初昇格を果たした3年目の山田遥楓(佐賀工高出身)にも熱視線を送る。「(昇格時に)使いたかったけど、場面がなかっただけ。必死に元気を出してやってくれている」と評価する。

 4年ぶりにクライマックスシリーズ進出を果たしたが、「不安はいっぱい。これを継続していかなければ」と気を引き締める。来季は埼玉県に本拠地を移して40年目。「選手の意識が一番大切。『絶対優勝するんだ』と今年以上の強い意志を持ってやってくれれば」と期待を込める。選手を信じ、10年ぶりのリーグ制覇に向けて突き進む。

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