増床から1年がたったゆめタウン佐賀。誕生祭などで売り上げを伸ばした=佐賀市

前年より開催期間が短く、売り上げが前年には届かなかった北海道大物産展。一方で、気温低下で寝具や冬物衣料が好調だった=佐賀市の佐賀玉屋

 

 11月の佐賀県内経済は、気温の低下やセールなどで力強さを欠いていた個人消費が復調し、季節商品を中心に売り上げを伸ばした。上旬の連休期間中の天候が安定したことなどから行楽需要も伸び、観光関連が前月に続き好調を維持した。

 冬物衣料や寝具、エアコンの売り上げは好調で、大型店では米国発祥の安売りセール「ブラック・フライデー」が消費を刺激した。旅館・ホテル、ゴルフ場の利用は前年実績を上回り、唐津くんちのユネスコ無形文化遺産登録も追い風となった。

 製造業は、自動車や食品、半導体関連で工場の稼働率が高く、有田焼や家具も一部に明るさが見られたものの、企業によって好不調の差が広がった。九州新幹線長崎ルートの線路工事が建設需要を後押しし、不動産は住宅購入、賃貸ともに取引が活発だった。

 

 

 

 

 

気温低下で衣料好調 エアコン、4KTVも伸び

 

 

 

【商況】

 

 ◇…大 型 店…◇

 売上高、来店客数ともに前年並みだった。北海道物産展の開催期間が昨年より5日短く、数字を伸ばせなかった。呉服や美術品も伸び悩んだが、気温の低下により寝具や冬物の婦人・紳士服はよく売れた。靴や化粧品などの雑貨も堅調で数字を押し上げた。

 (小笠原浩幸・佐賀玉屋営業企画部長)

 

 増床1年の誕生祭や安売りセール「ブラック・フライデー」の効果で売上高、客数ともに前年を大きく上回った。冬物衣料が伸び、ユニクロなど専門店も好調だった。歳暮の売上高は20%の増。食品は、前年より価格が低下した野菜が実績を下回ったが、鮮魚、精肉の売れ行きは良かった。

 (高橋邦典・ゆめタウン佐賀支配人)

 

 ◇…電 化 製 品…◇

 売上高、客数ともに前年並み。目立った動きとしては、吸引力が強く、音も静かなハンディータイプの掃除機など高価格品がよく動いた。ムービーのほか、テレビも高精細な4Kを中心に好調。気温の低下でエアコンも伸びてきており、年末商戦に期待している。

 (池上英治・エディオン佐賀本店店長)

 

 

 

贈答用に復調の兆し

 

【食料品】

 

 ◇…  茶  …◇

 今月に入ってようやく動きが出てきた。贈答用は上級品から下級品まで例年並みで推移。10月までの不調を取り戻すところまでは来ていないが、下旬に嬉野市であった見本市の売上高は前年を上回った。極上品や下級品の引き合いが強く、消費の二極化も見られる。

 (橋爪英彦・県茶商工業協同組合理事長)

 

 ◇…製   麺…◇

 全体の売上高は前年並み。前半は動きが鈍かったが、気温の低下に伴ってうどんやラーメンの消費が伸び、歳暮用もよく動いた。今後は年越しそばをはじめ、赤い具材をのせて福を招く「年明けうどん」のPRに努め、需要を喚起していきたい。

 (古賀義治・県製粉製麺事業協同組合理事長)

 

 

 

訪日客増加、好天も後押し

 

【レジャー・サービス】

 

 ◇…旅   館…◇

 唐津くんち期間中(2~4日)の宿泊が好調で、全体の売上高は前年同月を上回った。連休と重なって天候に恵まれたほか、ユネスコの無形文化遺産登録という話題性も誘客につながった。韓国などからの訪日客も例年より多かったように感じる。

 (松下隆義・唐津市旅館協同組合理事長)

 

 売り上げは全体的に好調で、いずれも前年同月より10%程度伸びた。宿泊付きの宴会が増えたのが要因で、客単価が上がったのも大きかった。訪日外国人客も堅調に推移。韓国や中国、台湾を中心に観光目的の人が増え、全体を押し上げている。

 (池田榮一・嬉野温泉旅館組合理事長)

 

 ◇…ゴ ル フ…◇

 県内施設の来場者数は前年同月比6・7%の増。天候が安定したことが主な要因だが、景況感が上向いたためか、ゴルフを楽しむ機運も高まってきているようだ。与党の2018年度税制改正大綱ではゴルフ場利用税が存続となった。引き続き廃止を求めたい。

 (毛利雄治・九州ゴルフ連盟支配人部会県代表幹事)

 

 

 

【運輸】

 

 ◇…バス・タクシー…◇

 乗り合いバスの運送収入は前年同月比4・0%の減。バルーン大会があった佐賀市内は好調だったが、鳥栖や唐津などが伸び悩んだ。高速バスは、空港線が行楽需要で伸びたが、天神線が落ち込み3・2%の減。貸し切りバスは県外からの団体ツアーの減少などで14・0%減と4カ月連続のマイナスだった。タクシーは全域で稼働が伸びず、0・3%減だった。

 (江上康男・県バス・タクシー協会専務理事)

 

 

 

大口受注で売り上げ増  一部で復調気配

 

【窯業・土石】

 

 ◇…陶 磁 器…◇

 大口受注が貢献し、売上高は前年比17・47%と大幅増となった。営業力がある商社と、商品力で受注に応えるメーカーがかみ合った結果と考えている。全体的な底上げとはまだ言えないが、秋口から復調の気配も出てきており、12月も前半は好調に推移している。結果を出して1年を締めくくりたい。

 (百武龍太郎・県陶磁器工業協同組合専務理事)

 

 前年比9・45%の減。冬物商戦が本格化する11月は例年、売り上げを伸ばす時期だが、厳しい状況が続く。商工一体の企画商品や、オリジナル商品が数字をつくり、オープン物件もあったが伸び悩んだ。取引先、商品の固定化がみられることが気掛かり。今後を見据え、商品や取引先を広げることがより重要になる。

 (藤雅友・肥前陶磁器商工協同組合専務理事)

 

 前年比4・04%減だったが、前年は秋の陶磁器まつりの日数を伸ばしたこともあり、2年前と比べるとプラスだった。スマートフォンなどが普及し、ウェブサイトを見て町を訪れる人の割合が増えている。団地でも公式ページで店舗の商品を紹介している。時代に合った対応で、来場者数や単価アップに協力したい。

 (原口秀夫・有田焼卸団地協同組合専務理事)

 

 ◇…陶   土…◇

 全体的に動きが鈍く、前年比4・2%の減。大量生産産地の名古屋地区で海外向けから国内需要へと向かう動きがあり、波佐見地区が苦戦しているようだ。秋口からの需要が盛り上がる時期が遅くなり、早く終わるようになったと感じる。国内需要や五輪特需の取り組みが待たれる。前月比は0・3%増だった。

 (一ノ瀬秀治・肥前陶土協同組合主事)

 

 

 

【建設】

 

 ◇…建   設…◇

 県内の公共工事の請負金額は前年比23・2%増の68億7千万円。2カ月連続のプラスだった。うち九州新幹線長崎ルートの線路工事が約19億円で、年度末にかけて関連工事が増えていくだろう。国や自治体の工事は前年を割り込んだが、本年度予算は減っていない。これから本格化するとみられる。

 10月の住宅着工は18・9%増の604戸。一進一退の状況が続いている。

 (中島博文・県建設業協会専務理事)

 

 ◇…不 動 産…◇

 先月に続き、住宅購入の動きが活発だった。主な地区別で見ると、佐賀は立地条件の良い分譲地がよく動き、鳥栖・三神は一戸建て住宅や中古マンションの購入客が多かった。唐津は宅地の売買に一服感があり、全体的に動きが落ち着いてきている。賃貸は、年末にかけて需要が増えており、新築や比較的家賃の低い物件に人気が集まっている。

 (山口英則・県宅地建物取引業協会地域振興委員長)

 

 

 

【木製品】

 

 ◇…家   具…◇

 需要の落ち込みが続き、業況は良くないという受け止めが大半。ニトリなど量販店向けは好調だが、品質、価格の高い商品は動きが鈍く、消費者の節約志向は根強い。販売店への来店客も減少傾向だが、インターネット通販の利用者は増えてきている。

 (樺島雄大・諸富家具振興協同組合理事長)

 

 ◇…建   具…◇

 組合の資材共同購入額は前年同月比2・2%の増。3カ月ぶりに減少した前月から揺り戻しがあったようだ。年間で見ても悪くない状況だが、品薄による価格上昇を受けて、早めに購入しようという動きが数字を押し上げている側面もあるとみている。

 (石井敏明・県木工業協同組合理事長)

 

 

 

 【機械・電機】

 

 ◇…機械・電機…◇

 年末の繁忙期に向けて仕事が増える時期で、会員事業者も忙しかった。特に自動車や食品製造、半導体関連の稼働率が依然として高い状況が続いている。人材確保に苦労する企業が多く、賃金アップなどの待遇改善を検討するところも増えてきている。

 (中村敏郎・県工業連合会会長)

 

 

【ICT】

 

 ◇…I C T…◇

 全体の売上高は前年並み。インターネット通販サイトの開設など販路開拓にICTを生かす企業は少しずつ増えているが、中小・零細企業は依然として投資に慎重だ。導入効果を丁寧に説明し需要を掘り起こしていく努力が必要となる。

 (森永裕之・県ソフトウェア協同組合理事)

 

 

【石油】

 

 ◇…石   油…◇

 県内のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均小売価格は前月より4円60銭高い141円70銭。原油高の影響で2015年8月以来、2年3カ月ぶりの140円台となった。灯油(18リットル)は前月より75円高い1517円だった。

 10月のガソリン販売量は前年同月比2・0%増、軽油は2・5%増だった。

 (光武繁・県石油商業組合専務理事)

 

 

【紙・印刷】

 

 ◇…印   刷…◇

 歳暮のチラシ、ギフトカタログとも受注は堅調だった。クリスマスケーキ用のチラシもまずまずで、全体の売り上げは前年並みを維持できた。ただ印刷だけに安住せず、取引先の販促を支援する業務を強化しなければならない。生産ラインで働く人員が各社で不足しており、ベトナムから外国人実習生を受け入れる動きが出てきた。

 (平川直樹・県印刷工業組合理事長)

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