Q.隣の家の騒音に悩んでいます。夜遅くまで騒いだり、大音量で音楽をかけたりしています。日中も小さいお子さんが家の周りで大声を出して遊ぶため、一日中うるさいです。これらの騒音についてお隣に注意したのですが、請け合ってもらえません。むしろ逆恨みされたのか、大音量で音楽を流すようになりました。家にいることが多いので大変困っています。隣家の住人に対し、法律上、何か言えることはないのでしょうか。

 A.ご近所の騒音に関しては、「受忍限度」という考え方があります。狭い国土に隣り合って暮らす以上、通常の生活で生じる音や声に関しては大目にみましょうという考え方です。受忍限度を超えるかは、音の大きさ、時間帯、継続性、お住まいの場所の性質などにより判断します。受忍限度を超えるような騒音被害の場合、初めて民事上の請求ができます。

 具体的には、騒音の差し止めや、騒音が原因で生じた損害(ノイローゼや精神的苦痛など)の賠償が請求できます。本件では、日中の子どもの遊び声は受忍限度内と言え、何も請求できない可能性が高いでしょう。一方、夜中の隣人の騒ぎ声や音楽は、受忍限度を超え、民事上の請求が可能な場合があります。

 生活騒音を出す行為を犯罪として直接処罰する法律はありません。ただ、隣人をノイローゼにさせてやろうと意図的に騒音を出したような場合には、傷害罪に当たることがあります。本件でも、あなたから注意を受けた後、意図的に大音量の音楽を流していた場合には、傷害罪に当たる可能性があります。

 いずれにせよ、継続的に騒音の大きさや時間帯、長さなどを計測し、診断書を取得するなど客観的な証拠を残しておく必要があります。ご近所同士の話ですので、まずは仲介役を入れるなどして、可能な限り話し合いでの解決を目指されることをお勧めします。(弁護士 塚本耕平 佐賀市)

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