地元農協の要請活動に応じる佐賀県関係国会議員=11月22日、東京・永田町の衆院第2議員会館

 「佐賀のやり方を教えてほしい」。10月の衆院選後、民進党佐賀県連には他県連からそんな問い合わせが相次ぐ。自公政権が圧倒的な議席を得た中、全国で唯一、野党候補が選挙区を独占した佐賀県。民進党副代表となった原口一博衆院議員(1区)、希望の党の共同代表選に出馬した大串博志衆院議員(2区)は共に存在感を増し、国会ではメディアが日々、動向を追い掛けている。

 希望の党への合流を巡り判断が分かれた両氏だったが、当選後は綿密に連絡を取り合う。安全保障や憲法観といった基本的な政策理念は近い。今月17日の民進県連常任幹事会で「佐賀モデルを全国に広げていく」と語った原口氏。民進の地方組織が党籍の違う議員の連携の要となるやり方を指す。オブザーバーで参加した大串氏も県連と歩調を合わせて今後の地方選を戦う姿勢を示した。

 大串氏は「代表戦では受け入れられなかった統一会派結成の訴えだが、今は大勢となりつつある。地方組織を起点に野党各党が連携する流れに引っ張っていく」と力を込める。議席を失い、国会での質問時間を減らされ、支持率も伸びない野党にあってキーマン2人の動きに注目が集まる。

 一方、選挙区の議席を失った自民党県連。比例復活した岩田和親、古川康の両衆院議員は国会の合間を縫って地元回りに力を入れる。加えて党の農政関係の部会にも必ず顔を出す。これまで推薦を得ていた県農政協議会が自主投票だったことを敗因の一つとして重く見ているためだ。

 「誰のためにやる改革なのか。明確な説明がなければ地元で話ができない」。中央卸売市場の取引規制を見直す法改正の議論では積極的に農協の声を届けた。「佐賀の2人は変わった」と部会の出席者から驚きの声が上がる。

 11月、県関係国会議員を集めて要請活動をしたJA佐賀中央会の金原壽秀会長は「部会でよく発言していただきありがたい」と笑顔で2人と握手した。だが、関係者は言う。「額面通りの感謝の言葉というより、しっかり見ているからなというメッセージだ」

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