文部科学省が小中学生に「学校への持ち込みを禁止」と通知している携帯電話やスマートフォン(スマホ)に関し、佐賀県内の少なくとも7市町の教育委員会やPTAが「所持自体を原則禁止」とする独自ルールを定めていることが佐賀新聞社の調査で分かった。所持している場合、解約を求める教委もあった。一方で、小中学生の利用率は増えており、関係者からは「所持を前提にした対応を検討する時期にきている」という意見も出始めている。

 「原則持たない(禁止)」と定めているのは佐賀、鹿島、嬉野、神埼、武雄の5市と江北、有田の2町の教委。理由として、教員の目が届かない会員制交流サイト(SNS)でのトラブルを避ける観点や、学習状況調査で「利用時間が長いと正答率が低くなる傾向がある」とされたことを挙げた。PTAと協議してルールをつくったと話すところもあった。嬉野市教委は「持っている場合は解約を依頼する」と説明した。

 一方で、本年度の学習状況調査によると、県内の小6の利用率は60・2%で3年前より8・6ポイント増え、中3は78・3%で11・0ポイント増加している。安全確保や「習い事や塾の送迎に必要」といった目的が主な理由で、所持している小中学生も増えているとみられる。

 2008年に「原則禁止」を決めた佐賀市教委は今年4月、利用制限を求める保護者アンケートの声を受ける形で、小学生は午後9時、中学生は午後10時以降の利用禁止を共通ルールとした。所持を禁じながら規制時間を打ち出す形になったため、市教委担当者は「二重基準という指摘も受ける」と話すが、所持禁止は継続する姿勢を示す。

 県青少年育成県民会議が昨年に作成した子どものネットトラブル事例集では、SNSでいじめに遭っても「スマホ禁止」の原則があるため、担任らに相談しづらい状況が報告された。

 保護者や学識者を交えた県教委の会議では「持っていることを前提に、調査や問題点の整理ができるように検討すべき」という意見が出るなど、方針転換を求める声もある。

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