高次脳機能障害について講演する東京慈恵会医科大附属第三病院リハビリテーション科の渡邉修教授=佐賀市のほほえみ館

 交通事故や病気で脳が損傷し、記憶障害や注意障害が生じる「高次脳機能障害」に関する講演会が17日、佐賀市のほほえみ館であった。医療関係者や患者家族約60人が症状を学び、サポートのあり方を考えた。

 東京慈恵会医科大学附属第三病院リハビリテーション科の渡邉修教授が講師を務めた。患者の社会復帰に向け、意欲低下や感情・行動を自分で制御できなくなる症状「社会的行動障害」への対応を中心に解説。リハビリする場合は「生活環境を安定させることが前提」とし、周囲の寄り添うような声掛けや、スケジュール表の作成といった「構造化」の必要性を挙げた。

 「設定した目標に到達することができれば社会的行動障害は減る」と指摘。日常生活への応用を心掛けながら訓練し、小さな成功体験を積み重ねていくよう助言した。米国の精神科医の言葉を引用し、「人間の生きる価値は人間関係を通してしか実感できない。意義を感じさせる環境に当事者を少しずつ連れ出していくことが大切」と語った。

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