■保育環境の整備必要

 パートで働く主婦らに所得税の減税枠を広げる「配偶者控除見直し」に対し、県内企業の約3割が女性の就業拡大や社会進出の後押しになるとみていることが、佐賀新聞社の調査で分かった。一方で、保育環境などの基盤整備が進まなければ、国が思い描く女性の社会進出は難しいとする意見も目立っている。

 配偶者控除見直しは与党が8日、2017年度税制改正大綱に盛り込むことを決めた。配偶者の給与年収要件を現行の「103万円以下」から「150万円以下」に引き上げる一方、世帯主の年収に応じて控除額を減らす所得制限を新たに導入する。

 「配偶者控除見直しが女性の社会進出を後押しするか」の問いには、「する」が30・1%で、「しない」の17・2%を上回った。製造業で双方の回答が20%台できっ抗したのに対し、非製造業は「する」が34・5%、「しない」が15・5%と倍以上の開きがあった。

 具体的な評価意見は、「優遇幅の拡大で希望する人が長く働けるようになる」(電機メーカー)、「働き方が少し多様化する」(建設)など。一方、「女性が働きに出ないのは保育園問題や親の介護、家にいるべきという社会的風潮など複数の要因があるため」(電機メーカー)、「子育て環境を整えるのが先。働く時間だけ長くなれば女性の家事の負担が増すだけ」(酒販店)と批判的にみる意見も目立った。

 見直しが企業経営に与える影響については「好影響がある」が19・1%で、「悪影響がある」が10・6%。製造業は「好影響」が22・9%で、「悪影響」の11・4%を大きく上回り、非製造業は「好影響」16・9%、「悪影響」10・2%だった。

 好影響の理由としては「労働力不足解消」がトップで、「フルタイムが増えシフトが組みやすくなる」「引き上げた分長く働いてもらえる」が続いた。一方、悪影響の理由は「時給や賞与引き上げで人件費が高騰する」が最多で、「国民年金や国民健康保険の負担増」「子育てや介護環境が整わず何も変わらない」の順に多かった。

 調査は10月下旬~11月上旬、県内企業200社に実施し、94社(47・0%)から回答を得た。

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