県が多胎児世帯に支給する子育てタクシー利用券(左)。22日から事業を始める=佐賀県庁

 佐賀県は、双子以上の多胎児の子育て家庭にタクシー料金2万円(利用券)を助成する事業を22日から始める。出産や健診を受けられる病院が限られ、交通費がかさむため、支援する。利用券は子どもたちが1歳半になるまで使える。県こども未来課は「都道府県単位で取り組むのは全国的にも例がない」とし、子育てしやすい環境を整えて定住促進につなげる。

 双子や三つ子など多胎児を妊娠している母親や、1歳半までの多胎児の子どもがいる家庭が対象。住んでいる市町の窓口で母子健康手帳を発行する際に申請する。出産後であれば母子手帳と身分証を持参する。県こども未来課でも受け付ける。

 利用券(500円分40枚つづり)は窓口で受け取るか、後日郵送される。所得制限は設けず、1回の乗車で使える額の上限もない。事業費は147万円。県が今年7月から始めた「子育てタクシー」で使える。同制度には県内全域の16社が加盟しており、研修を受けた専任運転手が赤ちゃん連れの母親や妊婦の外出などを助ける。

 厚生労働省の人口動態統計によると、県内の多胎児は出生数全体の1%未満で、2012年が58件、13年69件、14年52件、15年56件、16年63件。県として特化した支援事業はこれまでなかった。おむつやミルクなど必要な物品代が赤ちゃん1人の場合より2、3倍とかかることなどから、経済的な支援を求める声が寄せられていた。

 県内の出生数は減少傾向に歯止めがかからず、12年の7440人から16年は6811人と600人以上減っている。こども未来課は「『寄り添う子育て』を合言葉に取り組んでおり、必要な支援をしていきたい」としている。

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